イベント
第10回防災セミナー「ネパール ゴルカ地震からの復興 リスクをレジリエンスへ」 写真提供 ソーラブ・ラナ/世界銀行
第10回防災セミナー「ネパール ゴルカ地震からの復興:リスクをレジリエンスへ」
2016年4月26日東京


防災セミナーシリーズ:世界銀行東京事務所、世界銀行東京防災ハブ、東北大学災害科学国際研究所 共催

2015年4月25日、ネパールの首都カトマンズの北西、ゴルカ地方で発生したマグニチュード7.8の大地震は、大規模な地すべりや雪崩を引き起こし、広範囲にわたり甚大な被害をもたらしました。その後も余震が頻繁に続き、5月12日に再び同地域を襲ったマグニチュード7強の地震により、被害が拡大しました。ネパール政府の発表によると、この震災による死者数は8,700名以上、負傷者数は25,000名以上にのぼりました。

震災から1年。ネパール政府は、開発パートナーと協力し復興事業を進める中で、将来のリスクへの備えにも取り組んでいます。現在、同政府が作成している「ネパールのための強靭な復興フレームワーク」においても、単なる再建計画を超え、将来のリスクへの強靭性を備えるための計画が議論されています。

本セミナーでは、ネパールにおける震災当時の対応と課題、ならびに東北大学によるフィールド調査の結果を踏まえ、緊急医療および人的被害の傾向が示す脆弱性の特徴を紹介します。また、この震災を通して特定された脆弱性を踏まえ、将来のリスクへの備えに繋げるための取り組みに焦点をあて、震災直後からネパール政府と密に連携して取り組んでいる、世界銀行 / 東京防災ハブおよび国際協力機構 (JICA) による復興支援プロジェクトを紹介します。
 

プログラム

開会挨拶

塚越 保祐
世界銀行グループ 駐日特別代表

基調報告

今村 文彦
東北大学 災害科学国際研究所 所長 / 東北大学 災害科学国際研究所 災害リスク研究部門 津波工学研究分野 教授
「国際的な防災・減災に向けた大学の役割:東北大学災害科学国際研究所の発足と活動」PDF (英語)

講演

ケム・バハドゥル・カルキ
ネパール連邦民主共和国政府 保健研究学術会議長官 / ネパール政府 緊急医療チームコーディネーター
「2015年ネパール地震における緊急医療対応:我々は何を学んだか」PDF (英語)

江川 新一
東北大学災害科学国際研究所 災害医学研究部門 教授 
「ゴルカ地震における人的被害に関する医学的分析」PDF (英語)

アヴァニ・ディキシット
世界銀行 社会・都市・農村開発・強靭性グローバルプラクティス ネパール住宅再建事業 防災専門官
ジョティ・パンディ
世界銀行 社会・都市・農村開発・強靭性グローバルプラクティス ネパール住宅再建事業 社会的保護専門官
「災害リスクを考慮した社会的保護の仕組みづくり:ネパール地震への対応」PDF (英語)

室岡 直道
国際協力機構 社会基盤平和構築部 都市・地域開発グループ 都市・地域開発第一課 企画役
「ネパール震災後の復興に関するJICAの取り組み:基盤インフラ構築支援を通した災害に強い街づくり」PDF (英語)

モデレーター

金田 恵子
世界銀行 防災グローバルファシリティ 東京防災ハブ 防災専門官

(敬称略)

❖ このセミナーは公開用に録画されます。

スピーカー紹介

 

 

Image塚越 保祐
世界銀行グループ 駐日特別代表

2013年8月現職に就任。日本の政府、CSO、企業、研究機関等と世界銀行との協力関係強化を使命とする。就任以来、世界銀行東京事務所内に設置された東京防災ハブの設立にも参画。現職就任前、2008-2011年には米州開発銀行理事として同行の融資案件の審議と政策決定に関与。1988-1991年にはアフリカ開発銀行理事としてコートジボワールに駐在。また、1994-1998年には国際金融情報センター・ワシントン事務所長として米国の政策決定過程等につき調査。1980年4月大蔵省 (現:財務省) に入省。

 

Image今村 文彦
東北大学災害科学国際研究所 所長、東北大学災害科学国際研究所 災害リスク研究部門津波工学研究分野 教授

東北大学工学部卒業、同大学大学院博士課程修了、工学博士。東北大学工学部土木工学科助手、同大学 大学工学部災害制御研修センター助教授・教授等を経て、現在、同大学災害科学国際研究所 (IRIDeS) 所長。専門は、津波工学、自然災害科学、土木工学。研究所メンバーを率い、東日本大震災の知見と教訓をもとに、国内外の災害研究、防災・減災活動に積極的にあたっている。

 

Imageケム・バハドゥル・カルキ
ネパール連邦民主共和国政府 保健研究学術会議長官 / ネパール政府 緊急医療チームコーディネーター

 

 


Image江川 新一
東北大学災害科学国際研究所 災害医学研究部門 教授

東北大学 災害科学国際研究所 災害医学研究部門 部門長。災害医学の専門家として、災害に強い医療供給体制づくりを主導する。災害医療情報システム (EMIS) の強化、医療従事者のためのテレビ会議システム等のインフラ構築、能力開発などを通し、全国規模での災害対応標準化を行っている。現職就任前、1987年から東北大学外科、1993年からは国立がんセンター研究所にて細胞増殖因子研究に従事。1999年よりピッツバーグ大学腫瘍外科学 客員研究員、2006年より東北大学病院 肝胆膵外科 准教授として数多くの臨床・教育・研究を行う。2012年、東北大学 災害科学国際研究所災害医療国際協力学分野 教授に就任、2013年以降、東北メディカル・メガバンク機構 地域医療支援部門 副部門長も兼任し、被災地の医療支援の指揮をとる。東北大学大学院医学研究科修了、医学博士。

 

Imageアヴァニ・ディキシット
世界銀行 社会・都市・農村開発・強靭性グローバルプラクティス ネパール住宅再建事業 防災専門官

防災専門官として、2015年6月より世界銀行ネパール事務所勤務。世界銀行が支援するネパール住宅再建プロジェクトを担当。世界銀行入行前は、国連開発計画 (UNDP) ネパール事務所にて災害リスク管理プログラム分析官として、4年以上にわたりネパール政府が取り組む災害関連事業の監督や技術支援に携わる。また、UNDPジュネーブ事務所 危機管理・復興局 プログラム分析官として3年間、各国事務所の災害リスク評価を踏まえた技術支援に携わる。PRINCE2プロジェクトマネジメント・プラクティショナー。タイ王国タマサート大学卒業後、ヨーロッパ大学コンソーシアムを通し、イギリスのリーディング大学大学院、ギリシャ共和国のテッサロニキ・アリストテレス大学大学院、スペインのマドリード・カルロス3世大学大学院にて学ぶ。情報管理修士。

 

Imageジョティ・パンディ
世界銀行 社会・都市・農村開発・強靭性グローバルプラクティス ネパール住宅再建事業 社会的保護専門官

世界銀行ネパール事務所 社会的保護専門官として、社会的保護システムや市民登録制度向上に取り組む。震災後、ネパール中央統計局にて、住宅再建のための対象者識別調査の企画から実施までを担当。コネチカット大学にて経済学および国際関係学学士号取得。ドイツ連邦共和国ハーティー・スクール・オブ・ガバナンスにて公共政策修士号取得。

 

Image室岡 直道
国際協力機構 社会基盤平和構築部 都市・地域開発グループ都市・地域開発第一課 企画役

民間コンサルタント会社を経て1998年7月より国際協力機構 (JICA) に勤務。東京国際センター、無償資金協力部、社会開発部、ベトナム事務所を経て2013年7月から現職。運輸交通分野、都市地域開発分野、産業開発分野等のプロジェクトの形成や実施に携わる。近年は、自然災害・紛争後の復興支援に従事。2013年11月のフィリピン国台風ヨランダからの復興支援プロジェクト、2015年4月のゴルカ地震からの復興支援プロジェクトの形成、実施等を担当。ミシガン大学大学院修了、都市計画修士。

 

Image金田 恵子
世界銀行 防災グローバル・ファシリティ 東京防災ハブ 防災専門官

防災専門官として、2014年より世界銀行東京防災ハブに勤務。「日本-世界銀行防災共同プログラム」を通し、国・地域別の技術支援プログラム、および日本の防災の知見を活用し開発途上国と共有するプログラムの形成や管理を行う。途上国において防災を主流化するため、世界銀行の地域ごとの防災チームとともに、多様なセクターとの連携案件形成を支援する。過去の災害復興事業従事の経験を踏まえ、2015年に壊滅的被害を被ったネパールやバヌアツにおける被害調査ならびに世界銀行による復興プロジェクト形成に従事。世界銀行入行前は、国連開発計画事務局 (UNDP) および国連人間居住計画 (UN Habitat) インドネシア事務所、国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) 南スーダン事務所、国際協力機構 (JICA) モンゴル事務所にて、約10年間にわたり、住宅再建を中心とした自然災害・紛争後の復興事業、事前対策、気候変動適応、都市開発などに携わる。京都工芸繊維大学大学院修士課程修了、工学修士。現在、京都大学大学院 工学研究科 建築学専攻にて博士後期課程履修中。

 

(講演順、敬称略)

 

セミナー概要

 

 

 

ネパールは昨年、大地震に見舞われました。その後の余震は地滑りと雪崩を引き起こし、8,700人にのぼる人命を奪い、約25,000人が負傷しました。本セミナーは、現場で浮き彫りになった様々な課題と今後の展望について議論する機会となりました。

冒頭、今村文彦 東北大学 災害科学国際研究所 所長 / 東北大学 災害科学国際研究所 災害リスク研究部門 津波工学研究分野 教授に、2011年3月11日の複合災害(地震、津波、原発事故)における日本の経験について、また、どのように日本と世界がこれらの経験から学んでいるのかについて、特に東北大学の災害科学国際研究所の取り組みに関して、基調講演を行っていただきました。その中で、国際協力およびグローバルパートナーシップという包括的アプローチにより災害がもたらす課題に対応することの重要性、また、被害状況および保健施設の準備状況の把握や感染症予防戦略のための支援など、災害科学国際研究所がネパールの災害復旧を支援する上で行った具体的な取り組みについて説明されました。

ネパールからのスピーカー、ケム・バハドゥル・カルキ ネパール連邦民主共和国政府 保健研究学術会議長官 / ネパール政府 緊急医療チームコーディネーターおよびジョティ・パンディ 世界銀行 社会・都市・農村開発・強靭性グローバルプラクティス ネパール住宅再建事業 社会的保護専門官は、ゴルカ地震後の医療および社会的保護の必須要件について説明されました。

江川 新一 東北大学 災害科学国際研究所 災害医学研究部門 災害医療国際協力学分野 教授 / 東北大学病院 肝胆膵外科 からは、ゴルカ地震における人命損失に関して医学的分析を発表いただきました。

室岡 直道 国際協力機構(JICA) 社会基盤平和構築部 都市・地域開発グループ 都市・地域開発第一課 企画役は、JICAのネパール向け地震復興基礎インフラ支援プロジェクトについて説明されました。

世界銀行チームは、ネパール政府が地震復興プロジェクトを通して達成した事項、ならびに災害に関連した社会的保護活動がもたらした機会について報告を行いました。


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イベント詳細
  • 日時: 2016年04月26日 (火) 午後2時~午後4時
  • 場所: 世界銀行東京事務所 東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル10階
  • 言語: 英語・日本語 (同時通訳付)
  • お問合せ: 世界銀行東京防災ハブ TEL: 03-3597-1320
  • drmhubtokyo@worldbank.org

日本-世界銀行防災共同プログラム