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プレスリリース2024年2月28日

世界銀行グループ、保証業務の抜本見直しを発表

企業トップやG20専門家グループの助言の下、簡素化とアクセス改善に向けた改革を推進

ワシントン、2024年2月28日 – 世界銀行グループは本日、利便性の高い新規市場での簡素化、アクセス改善、迅速化による保証事業の抜本的見直しを発表した。 この新たな改革は、2030年までに年間保証発行額を現在の3倍の200億ドルに拡大するという目標の達成に欠かせない。

世界銀行グループが2023年6月に立ち上げた「民間セクター投資ラボ」は、再生可能エネルギー投資に対する障壁と考え得る解決策の特定を目指している。世界銀行グループの主要な関心分野である政治リスク保険では、アクセシビリティも問題となっている。G20独立専門家グループによる国際開発金融機関(MDBs)の強化に関する最新報告書も、リスク軽減と、民間資金動員のために保証の利用を拡大するよう求めている。

世界銀行グループは現在、合計で20の保証ソリューションを提供している。プロセス、ルール、基準がそれぞれに異なっているため、クライアントが潜在性を発揮しアクセスするにあたり、最終的にこうした違いが妨げとなっている。

今回、15年ぶりの大規模な変更を経て、新アプローチでは具体的に6つ点が改善される。

  • 構造の集約:世界銀行グループ全体からすべての保証専門家を集め、クライアントが快適にサービスを利用し、全ての保証プログラムに容易にアクセスできるようにする。
  • 簡素化された包括的なプロダクト・メニュー:世界銀行グループの全ての保証を1つのメニューにまとめ、クライアントが個々のニーズに最も適した保証手段を容易に特定し選択できるようにする。
  • プロセスの効率化:すべての保証レビューに共通のアプローチを導入し、冗長なプロセスを排除し、保証プロセス全体で透明性と確実性をクライアントに提供し、より快適にサービスを利用できるようにする。
  • アクセシビリティの向上:世界中の保証担当チームの増員、世界各地でのスタッフ・トレーニングの実施に加え、民間部門やクライアント国が世界中のどこからでも保証に容易にアクセスできるようにするなど、クライアントのアクセシビリティ強化に投資する。  
  • 規模の重視:インパクトの大きなプロジェクトやプロジェクト・ポートフォリオに資源を集中させるリスク・ウェイト・アプローチを適用し、リスク分析の重複を減らし、より複雑な課題への対応に能力を回せるようにする。
  • 革新的な新ツール:民間セクターが直近の開発課題の解決への関与を深められるよう、革新的な新保証プロダクトを提供する。

今回の見直し後のサービスとワンストップショップは、2024年7月1日に世界銀行グループの全てのクライアントに提供予定である。

民間セクター投資ラボのCEOと共同議長

アジェイ・バンガ世界銀行 総裁:地球規模の主要な課題に取り組むには、民間セクターの資源と創意工夫が必要である。提供するプロダクトやサービス の統合、プロセスの簡素化、アクセシビリティの向上により、企業がより迅速かつ容易に保証にアクセスできるようにしていく。新たな保証市場は、世界銀行グループの保証事業規模を現在の3倍に拡大するための重要な一歩となるが、投資家が途上国への投資を拡大して前向きな変化を加速できるよう支援するという点がさらに重要である。

マーク・カーニーGFANZ共同議長(気候変動対策・ファイナンスに関する国連事務総長特使):多国間開発金融機関(MDBs)は、気候と開発の二重の危機に対処するため、あらゆる資金源から最大限の融資額を確保するために、持てる力の全てを使わなければならない。 そのために、当ラボでは、新興国と途上国における民間投資の障壁を取り除くための解決策を開発し迅速に拡大できるよう、民間セクターと世界銀行の幹部が一堂に会した。我々は協力して、民間セクターが直面する制約や課題に対応するため、一連の保証における簡素化と一貫性の確保の必要性への対応を優先してきた。この新しいプラットフォームにより、保証の規模と迅速性の大幅な向上、ひいては世界で最も喫緊の問題の解決に役立つ資金の提供が可能になる。

プルデンシャルのシュリティ・バデラ会長:気候と開発のために民間資金を動員するにあたり、保証は最も定評のある効果的な方法のひとつである。このプラットフォームは、世界銀行グループによる一連の保証へのアクセスを簡素化し、貸し手と借り手が、より確実に投資計画を立てるためにどんな選択したあるかについて理解を深めるのに役立つ。ラボが世界銀行グループと協力してプラットフォームを開発し、そこにどういった手段と専門知識を結集するかについて集中的に検討できたことを嬉しく思う。これは、必要とされる規模とペースで資金を提供するために官民両セクターが協力することの価値を示すものである。

ラボ・メンバー

HSBCホールディングスのノエル・クイン グループCEO:世界銀行による保証のためのこのシンプルな新プラットフォームの設置は、持続可能な投資の規模拡大に不可欠である。これで、標準的契約構造などの改革が促進され、プロジェクトの実行可能性確保のために官民両セクターの組織が果たすべき役割が一層明確になる。世界銀行の民間セクター投資ラボの初の具体的成果として、保証に関するこの画期的な変更が行われたことを大変喜ばしく思う。

マッコーリー・グループのシェマラ・ウィクラマナヤケ最高経営責任者(CEO)兼マネージング・ディレクター:世界銀行の保証プログラムは、新興国と途上国の重要インフラへの投資を動員する上で有効な手段となり得る。今回の意欲的な見直しは、世界銀行がより迅速に手続きを進め、こうした重要な保証の提供にあたって効率性を高めることで、より多くの民間資本を動員し、これまで以上に大きなインパクトをもたらすのに役立つだろう。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の亀澤宏規グループCEO :MUFGは、プライベート・インベストメント・ラボの設立当初から参加できることを光栄に思う。また、世界銀行グループによる保証業務の統合と効率化の発表を歓迎する。MUFGはプロジェクト・ファイナンスを主導する世界有数の銀行であり、ブレンデッド・ファイナンスの規模拡大に向け世界銀行と協力することに大きな好機を見出している。我々の本社のあるアジアを含め、新興国における数多くの投資機会において、この新しい保証プラットフォームで協力してまいりたい。 

ヘンドリック・デュ・トワ Ninety One 最高経営責任者(CEO):中国はエネルギー移行を自己資金で賄える唯一の新興国であると承知している。また、先進国の機関投資家の多くが、新興国のエネルギー移行への投資に依然として慎重であることも承知している。世界銀行保証プラットフォームの今回の見直しは、新興国の移行のための資本をようやく解き放つ機会を開くものである。

フェイケ・シベスマ ロイヤル フィリップス会長兼地球気候適応センター共同議長:世界銀行は今回の保証業務見直しにより、再生可能エネルギー投資に一層の民間資金を動員するための重要な一歩を踏み出した。保証サービスの統合と効率化、透明性の向上、アクセスの改善、および手続きの迅速化により、多くの障壁が取り除かれる。

スタンダード銀行のシム・チャバララ最高経営責任者(CEO):スタンダード銀行グループは、プロセスを簡素化・効率化し、柔軟性と革新の余地を拡大する世界銀行の保証ワンストップショップの設立を心から歓迎する。 これは重要な改革である。世界銀行の保証は、アフリカのインフラに民間投資を呼び込むための最も効率的な方法の一つだからである。

スタンダードチャータードのビル・ウィンターズ グループ最高経営責任者(CEO):世界銀行グループとの協力の下での組織を超えた今回の改革により信頼性の高いプラットフォームを構築できたことは、一連の保証プロダクトの簡素化、アクセス、迅速な手続きを実現するというイノベーションが可能かつ不可欠であると実証している。これは、途上国への資本フローを促進する上で状況を一変させるほどの可能性を秘めた手段である。

ダミロラ・オグンビイ 持続可能なエネルギー・フォー・オールの最高経営責任者(CEO):世界銀行グループが、民間セクターの投資拡大に向け、保証業務の抜本的見直しをタイムリーに発表したことを歓迎する。本日発表された新ワンストップ・ショップ・プラットフォームは、世界銀行グループの保証サービスへのアクセスを効率化するだけでなく、現地通貨建て融資の実現や分散型再生可能エネルギー・プロジェクトの支援に大きく貢献するだろう。私は、新興国・途上国における再生可能エネルギー投資の促進のための革新的ソリューションの開発において、今後とも世界銀行を支援していく所存である。

テマセクのディルハン・ピレイ・サンドラセガラ事務局長 兼最高経営責任者(CEO):本日の発表は、多くの新興国・途上国(EMDEs)が直面する気候変動対策資金の不足を埋めるために、迅速かつ断固たる決意を持って行動するという世界銀行グループのコミットメントの証である。我々は、世界銀行グループが状況を一変させるような行動を起こしたことを称えるとともに、今回のアプローチ見直しが、アジア内外での持続可能なグリーン成長推進に必要な資金と資源の動員において成果を上げるものものと期待している。

マーク・ギャログリー スリー・ケアンズ・グループ共同創設者兼マネージング・プリンシパル:世界銀行の保証業務改革、中でも2030年までに保証発行額を現在の3倍にあたる200億ドルまで拡大するという意欲的取組みは、世界銀行グループによる歓迎すべき前進である。今後も、世界銀行グループ首脳陣及び民間セクター投資ラボに参加するCEOの皆様と協力し、喫緊の気候危機への対応のために動員資金をいかにして最大化するかを見極めていく。

G20独立専門家グループ 

N・K・シン第15回インド財政委員会委員長兼MDB改革に関する独立専門家グループ共同議長:世界銀行グループが保証業務の抜本的見直しを決定したことは、重要な節目である。国際金融構造の再構築のためには、簡素化、アクセス改善、手続きの迅速化とは別に、年間保証額を3倍にするという目標は、国際開発金融機関の強化に関する独立専門家グループの勧告内容の実施に大きく貢献するであろう。保証の枠組み強化により、民間投資の大幅な促進が可能になり、信頼性の高い資金調達の取り決めにおける深刻な不足分を埋めることができるのは確実である。他の問題についてのさらなる進展を期待し、世界銀行総裁、シニア・マネジメント、民間セクター・ラボのメンバーに、大きな拍手とともに、心からのお祝いの言葉を送りたい。

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世界銀行グループについて: 世界銀行グループは、生活しやすい地球に貧困のない世界を実現するという意欲的なビジョンを掲げている。世界銀行グループは、100カ国以上で、雇用創出、経済成長の強化、特に緊急性の高い世界的開発課題への対処を通じて、生活水準向上のための融資、助言、革新的ソリューションを提供している。世界銀行グループは、途上国に資金と知識を提供する最大の機関の1つで、国際復興開発銀行(IBRD)、国際開発協会(IDA)(両機関を総称して世界銀行と呼ぶ)、国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)、投資紛争解決国際センター(ICSID)で構成されている。詳細はwww.worldbank.orgwww.miga.orgwww.ifc.orgを参照のこと。

 

お問い合せ:

ワシントン:Elizabeth Howton, (202) 458-5922, ehowton@worldbankgroup.org

映像関連:David Young, (202) 250-0395, dyoung7@worldbankgroup.org

東京:開裕香子、+81 (3)  3597-6650, yhiraki@worldbankgroup.org

 

プレスリリース番号: 2024/050/MIGA

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