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特集2025年6月13日

日本開発政策・人材育成基金(PHRD)世界の繁栄に向けた日本のリーダーシップ

PHRD Brochure 2025

要点

  • 1989年に日本政府と世界銀行のパートナーシップとして設立された「日本開発政策・人材育成基金(PHRD)」は、途上国の政府機関と連携し、健全な経済政策の策定と国民の生活の質向上に必要な知識とスキルの構築に取り組んだ
  • PHRDは、健全な国民保健システムを備えた健康で強靭な社会を構築するために、途上国におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を推進
  • PHRDはまた、債務の持続可能性、デジタル農業イノベーション、気候変動への適応などの戦略的課題に関する世界銀行の分析にも資金を提供

日本開発政策・人材育成基金とは?

1989年に日本政府と世界銀行のパートナーシップとして設立された「日本開発政策・人材育成基金(PHRD)」は、途上国の政府機関と連携し、健全な経済政策の策定と国民の生活の質向上に必要な知識とスキルの構築に取り組んでいます。ターゲットを明確にした資金と日本の専門知識の活用により、PHRDは日本の国際開発アジェンダを直接的に支援し日本の専門知識の世界的な普及と応用に貢献しています。

日本政府は過去35年間(1989~2024年)で、PHRDに53億ドルを拠出しました。プログラムは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、債務の持続可能性、質の高いインフラ投資、防災など、日本の国際開発の優先事項の中でも中核となるさまざま写真撮影:世界銀行な分野で、50を超えるパートナー国に技術協力を提供してきました。技術協力は、政策改革に向けた確かなエビデンスと準備態勢構築、支援対象国の組織・制度の強化、ステークホルダー間でのさらなる連携に結びつきました。PHRDの知見共有と学習プログラムは、日本の専門家や有識者、研究機関を各分野のリーダーと位置づけ、国際的な専門知識の交換と学習を促進しています。PHRDは、日本の関心と優先分野に合致する厳選されたグローバルファンドや多国間ファンドに拠出することで、世界中で日本の関心事項を広めています。

すべての人のためのユニバーサル・ヘルス・カバレッジ

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写真撮影:世界銀行
PHRDは、健全な国民保健システムを備えた健康で強靭な社会を構築するために、途上国におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を推進しています。PHRDは、日本内外の国際的な専門知識を活用し、保健財政、イノベーションとテクノロジー、高齢化と長期介護、防災などの分野で助言を提供し、分析を行っています。例えばパナマでは、PHRDが資金を提供するプログラムにより、政府に技術支援が提供され、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの主要な改革の実施、財務リスクからの保護の強化、コロナ危機対応の強化が図られました。また、プログラムの下で、パナマの保健セクターにおける政策決定のため、遠隔医療に関する日本の専門知識の共有が行われました。PHRDは世界全体で、UHCのための共同学習ネットワーク、2023年に議長国日本を支援したG7などのハイレベルフォーラム、長崎大学との共催を含むグローバル・地域レベルのUHCフラッグシップコース等を通じて、保健システムに関する知見共有を支援しています。

世界の繁栄を推進するパートナー日本は協調融資を通じて、優先分野における世界銀行のプロジェクトのインパクトを拡大しています。例えばマリでは、TICAD Vポートフォリオの一環として、PHRDが世界銀行のグラントに協調融資し、電力網に接続するには遠すぎる遠隔地の農村家庭に電力を供給しました。グラントは、家庭用太陽光発電システムの設置とソーラーランタンの配布に充てられるなど、63万2,000人以上を対象とする世界銀行の電力プロジェクトに貢献しました。

以前は、携帯電話を充電するためだけに、バイクで少なくとも5km離れた隣の村まで行かなければなりませんでした。今では、すぐそばで充電できるので、いつでも連絡を取ることができます
マリのクラ自治体職員

協力と交流を通じた日本の認知度向上

PHRDはまた、債務の持続可能性、デジタル農業イノベーション、気候変動への適応などの戦略的課題に関する世界銀行の分析にも資金を提供しています。分析では日本の経験をはじめとする国際的なベストプラクティスが頻繁に活用され、途上国の機関と日本の機関とのパートナーシップ構築につながる可能性があります。例えば、アフリカの科学、技術、イノベーション(STI)の分野での世界的な能力向上プロジェクトは、14カ国でのグローバル教育政策ダッシュボードの展開、アフリカの大学と日本の大学・産業界の間のパートナーシップに関する10件の覚書、およびSTIに関する日本の知見をアフリカの大学や政府と共有するための4つのイベントなど、いくつもの成果を上げました。

ビジョンを発信する日本の理念的リーダーシップの拡大

日本/世界銀行 共同大学院奨学金制度(JJ/WBGSP)プログラムは、日本人や外国人の研究者を対象に、受入れ先大学にて開発の主要分野で専門的なトレーニング研修を受けるための奨学金を提供します。2024年は、日本で7つの大学が世界中から学生を受け入れたほか、多くの日本人研究者や専門家が海外の大学で複雑な国際課題を解決するスキルの向上を図っています。

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写真撮影:世界銀行

日本/世界銀行 共同大学院奨学金制度は、私がプロフェッショナルとしてキャリアを積むうえで、人生を変える節目となりました。奨学金のおかげで、税務、教育、経済成長について国際的なベストプラクティスを学ぶことができました
イー・イー・スゥエ、日本の政策研究大学院大学(GRIPS)2022年卒業

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写真撮影:PHRD

世界銀行と日本政府は、これらのプログラムと投資を通じて、途上国が社会・経済の成長に向けた変革を主導できるよう知見とスキルの構築を支援しています。

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