プレスリリース

アフリカ大湖地域に10億ドルの支援をプレッジ、エネルギー、道路、農業、貿易、保健、雇用をカバー-世界銀行

2013年5月23日



コンゴ民主共和国キンシャサ、2013年5月22日 ― 世銀グループと国連の両トップが歴史的なジョイント・ミッションの形でアフリカ大湖地域を訪問している。世界銀行は、同ミッションの初日に当たる本日、去る2月に11か国が調印した大湖地域和平協定の支援策として、域内各国の保健・教育サービスの改善、貿易の促進、水力発電プロジェクトを対象とする10億ドルの資金支援を発表した。

ジム・ヨン・キム世銀グループ総裁は、潘基文国連事務総長と共に、3日間の予定でコンゴ民主共和国(DRC)、ルワンダ、ウガンダを訪問中であるが、大湖地域の安全保障と経済開発はアフリカにおける極度の貧困をほとんどなくし、これまで経済的機会に恵まれなかった数百万の人々に繁栄を行きわたらせるために不可欠であると述べた。

IDAからの「10億ドルの新規融資の確保について、我々は並々ならぬ努力をしてきた。この支援は大湖地域の永続的な平和に大きく貢献できると確信している」とキム総裁は述べている。「この資金は、これまで停滞していた経済開発の活性化、雇用創出、そして実に長い間辛苦を味わってきた人々の生活向上に役立つだろう。これにより、同地域の指導者は、経済活動の再開、国境周辺の人々の生活水準の向上を図ることで、信認を高め、経済を立て直し、数百万の人々に新たな機会を提供することができるだろう」  

今回の支援は、国際開発協会(IDA)による無利子融資であり、この地域の開発における2大優先課題に充てられる。その一つは、紛争によってコミュニティが崩壊した地域住民の暮らしを元に戻して、脆弱性を軽減すること、もう一つは、農業、エネルギー、運輸、域内貿易の分野で機会の増大と域内統合を促進するため、国境を越えた経済活動を活性化し拡大することだ。

世銀による今回の追加支援の内訳は、同地域の国内での避難民及び周辺国で難民となった人のための農業および農村開発向けに約1億ドル、ブルンジ、ルワンダ、タンザニア向けのルスモ水力発電プロジェクト(80メガワット)に3億4000万ドル、ルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国に電力を供給するルジジ第1及び第2水力発電の修復とルジジ第3発電向けに1億5000万ドル、コンゴ民主共和国の北キブ州、南キブ州、オリエンタル州の道路建設に1億6500万ドル、ルワンダとコンゴ民主共和国の国境周辺のインフラ整備と国境管理強化に1億8000万ドル、さらに公衆衛生、漁業、貿易振興などに数百万ドルとなっている。

サブサハラ・アフリカの他の地域では高度成長が進んでいるのに対し、大湖地域諸国は貧困レベルが著しく高く、電力アクセスなどの基本サービスの水準が極めて低い。農産物の生産も一般に極めて低い。同地域に対する世銀グループの開発戦略は、発電量を高めるとともに電力の国境を超えた流通を促すことである。この際、同地域の水力や地熱エネルギーといった低コストで再生可能な資源が有力な武器となる。特にコンゴ民主共和国で水力発電の潜在力を発揮できれば、ブルンジとルワンダに低価格の電力を供給できるようになり、地域の安定化に役立つだろう。現在、地域規模の電力グリッドは存在せず、域内各国間での電力の相互接続は極めて限定的だ。

潘基文国連事務総長はキンシャサで、世銀グループの誓約を歓迎した。

「アフリカの多くの国々は大きく前進しつつある。コンゴ民主共和国をはじめとする大湖地域の人々も前進のための十分なチャンスを手にすべきだ。平和の合意は平和の配当をもたらすはずだ。キム総裁と私の今回の訪問もそのためだ。大湖地域の地平線に希望の光がさし始めている。希望をつかむ日まで一歩一歩共に歩んでいく決意だ」と同事務総長は述べた。

域内の貿易平和のカギに

世銀グループは、今回の支援誓約の発表に当たり、域内の貿易の拡大は域内すべての国々に共通の利益となり、各国の開発政策の効果を大きく高めるとしている。

「電力供給の拡大と共に、国境を越えたヒトやモノの移動を加速し容易にするため支援できれば、大湖地域の経済開発に大きく資するだろう」と、今回、キム総裁と国連事務総長の視察ミッションに同行している世界銀行のマクタール・ディオップ・アフリカ地域総局副総裁は述べている。

「しかし、アフリカでは市民への食糧供給の潜在力が未だ実現されていない。大湖地域のような農民は、世界のどの地域よりも農産物を域内市場に届ける際の貿易障壁が高いためだ」とディオップ副総裁は述べている。「食料不足に悩む家庭やコミュニティに十分な食糧を供給しようにも国境に阻まれることが余りに多い」

道路の整備は貿易及び人々の暮らしにも貢献

世銀の担当者は、大湖地域の平和と繁栄のため、今回の新規融資の誓約は、道路の修復によって遠隔地のコミュニティと域内市場を結びつけるだろうと述べた。

世銀の支援は、国境をまたぐ主要幹線道路の修復が中心になるが、これを補完して、物資を市場に送り出すための接続道路の修復と開通も進められる。このアプローチには2つの利点がある。まず貿易量が増えれば、経済活動、生活水準、雇用が改善する。第二に、道路が接続されることによって、ヒトやモノの自由な往来が可能になり、国家の本来の監督能力が回復する。

コンゴ民主共和国では、世銀グループが現在進めている道路プロジェクト(プロ・ルート・プロジェクト、2億4800万ドル)が、オリエンタル州、南キブ州、カタンガ州を結ぶ全長2,176キロの道路を再建することで大きなインパクトを与え始めている。復旧済み道路区間が経済に与えた影響は多大で、輸送コストは最高80%も削減され、輸送にかかる時間も半分以下になっている。道路が整備された地域での治安改善も実証されている。

大湖地域における平和構築の新たな機会

国連事務総長と世銀総裁の共同視察に同行しているメアリー・ロビンソン国連特別代表(アフリカ大湖地域担当)は、世銀グループによる今回の大湖地域向けの誓約を以下の通り支持している。

「単に紛争後の手当てをする以上の、これまでと異なるアプローチにより同地域の貧困と紛争の連鎖を断ち切る機会が来る可能性がある。これまでの懐疑主義から楽観主義に転換するチャンスである。同地域の政府及び国民、更には国際社会も、平和は可能であり、それを獲得しようという人々の努力によると確信するだろう」とロビンソンは述べている。

*国際開発協会IDA:1960年に設立された世界銀行の基金で、世界の最貧困国を対象に、経済成長、貧困削減、人々の生活向上に資するプロジェクトやプログラムに対し無利子の開発資金を提供している。IDAは、世界の82の最貧困国(うち40カ国はアフリカ諸国)に最大級の援助機関に数えられている。IDA資金は、1日2ドル未満で生活する25億の人々にプラスの変化をもたらしている。IDAは設立以来、108か国での活動を支援してきた。年間誓約額は着実に増え、過去3年間の平均は約150億ドルに達する(そのうち約50%はアフリカ向け)。

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プレスリリース番号:
2013/401/AFR