都市財政の強化に向けて:都市財政の基本と革新に関する都市開発実務者向け対話型研修(TDD)の実施

Image
 


世界銀行都市・地方金融・観光・防災グローバル局は、東京開発ラーニングセンター(TDLC)を通じ、2026年3月9日から13日にかけて東京において、「都市財政の基本と革新(Fundamentals and Innovations in City Finance)」をテーマとした都市開発実務者向け対話型研修(テクニカル・ディープ・ダイブ:TDD)を開催します。本TDDは、国際金融公社(IFC)との協力のもと実施されます。本研修には、世界銀行クライアント国10か国から、都市財政に携わる政策担当者や実務者訳50名が参加する予定です。

現在、世界人口の半数以上が都市に居住しており、都市化の進展に伴い、この割合は今後も増加すると見込まれています。こうした中、都市が持続的に資金へアクセスできる体制を確保することは、これまで以上に重要性を増しています。特に、急速な都市化により資金需要が拡大している低・中所得国の都市にとって、喫緊の課題となっています。

経済成長を促進し、生活の質を向上させ、気候変動の影響に対するレジリエンスを高めるためには、都市インフラへの持続的な投資拡大が不可欠です。しかし、多くの都市は必要な資金を動員する上で大きな障壁に直面しており、その結果、深刻な資金ギャップが生じています。多くの国では分権化が進められてきましたが、その進展や成果の度合いはさまざまです。責任の明確化を図りながらも財政面の課題に十分対応していない改革や、十分な能力を備えていない自治体に新たな責任が付与されるケースも見られます。同時に、自治体は政府間財政移転への依存を一層強めています。こうした課題を克服するためには、都市が国際的な知見にアクセスし、共通の課題につき議論し、教訓を共有できる実務者コミュニティの一員となることが重要です。

日本は、地方自治体が国税の約40%を担うなど、地方財政の自立性が高い制度を構築してきました。加えて、活発な地方債市場と民間セクターを主要な資金源とする借入れ市場を有し、共有税源を通じた安定的な政府間財政移転制度を確立しています。中央政府の監督と地方自治のバランスを保ちながら、財政規律と市場メカニズムを両立させてきた日本の経験は、都市財政の持続可能性を高めるうえで示唆に富むモデルです。例えば、財源制約の中で効率運営を行ってきた富山市や積極的な都市投資により税収拡大を図ってきた福岡市に、持続可能な財政運営の学びを得ることができます。本TDDは、こうした日本の制度的・実務的知見を国際的な議論と結びつける場となります。

本研修では、2025年4月に実施された同テーマのTDDに続き、都市財政の基礎と革新的手法に改めて焦点を当てます。世界銀行およびIFCの実務経験、日本および各国の事例を通じて、都市インフラおよび公共サービスのための財源確保と財政管理の改善に資する知見と実践的ツールを共有し、具体的に下の主要テーマを取り上げます。

・都市財政枠組みと歳出管理

・政府間財政移転

・自主財源の強化(土地活用型財源や土地開発利益還元を含む)

・民間・商業資金の活用および自治体の信用力強化

5日間の研修を通じて、参加者が自国における都市財政制度の改善や投資戦略の高度化に向けた具体的な行動計画を策定できるよう支援します。本TDDは、都市が強固な財政基盤を構築し、持続可能で強靱な都市発展を実現するための実践的な知見を共有することを目的としています。