

2025年8月6日、広島市で平和記念式典が行われ、CPP(都市連携プログラム)で広島市と提携している世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)も参列しました。
80年前のこの日、広島の街に投下された世界初の原子爆弾は、一瞬のうちに街を破壊し、多くの尊い命を奪いました。毎年行われる平和記念式典は、奇跡的な復興を遂げた広島市が被爆の実相を語り継ぎ、非核と平和を世界に発信する重要な意味を持っています。
戦争や災害により壊滅的な被害を受けた世界の都市にとって、広島市は平和の象徴であるとともに、都市の復興の模範的な存在でもあります。TDLCでも広島の復興についての知見共有として、2023年に国際シンポジウム「復興から成長へ 広島の経験に学ぶ~広島とウクライナ・東欧諸国・中央アジア諸国の対話~」を開催し、反響を得ました。また、広島市の戦後復興に関する報告書もまとめています。
広島市の驚異的な復興の象徴として、「一番電車」があります。戦前から市民の足であった市の路面電車は、原爆投下後わずか3日で運転再開しました。
奇しくも被爆80年目の式典を前に、路面電車を運行する広島電鉄の新路線「駅前大橋線」が開通しました。路面電車がJR広島駅の改札階に乗り入れるという全国でも前例のない試みで、市ではアクセス向上や来訪者増加に期待の声が上がっています。
広島の街は哀しい過去を語り継ぎながら、80年を経た今も進化を続けています。
