BRIEF 2025年10月30日

循環型社会と持続可能な廃棄物管理を通じて、よりクリーンで強靭な都市づくりへ

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2025年10月14日から16日に愛知県豊田市で開催された「2025国際首長フォーラム」では、「持続可能な未来のために今行動を – SDGsのローカライズとPact for the Futureの推進」をテーマに、各国の都市リーダーや政策担当者が集まり、持続可能な都市づくりに向けた最新の知見や実践が共有されました。

「循環型ソリューション、資源効率、持続可能な廃棄物管理によるクリーンな都市づくり」をテーマとするセッションでは、世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)の久保田利恵子プログラム・オフィサーが登壇し、廃棄物管理と都市の洪水レジリエンスの密接な関係について紹介しました。久保田は、TDLCの出版物『北九州モデル:廃棄物管理と洪水リスク管理(英語)』を取り上げ、不十分な廃棄物管理が都市洪水を悪化させる一方で、統合的なアプローチによってこの課題をレジリエンス強化の機会に変えられることを説明しました。

発表では、廃棄物量の増加や管理体制の不備が海洋プラスチック汚染の主要因となっていること、さらにごみの排水路への流入や水流の詰まりが都市洪水を悪化させ、生活に深刻な影響を与えていることを指摘。こうした課題は相互に関連しており、都市レベルでの統合的なアプローチが不可欠であると強調しました。

久保田はまた、ベナン共和国での取り組みも紹介しました。同国では、世界銀行の支援のもと、排水と廃棄物管理の改善を通じて都市のレジリエンス強化を進めています。特に、脆弱なコトヌー市の地域住民を守るための雨水排水整備プロジェクトを紹介した特集記事『脆弱なコトヌーの地域社会を支える雨水排水整備:ベナンの事例』では、洪水対策と廃棄物管理を一体的に進めることで、急速に都市化が進む地域の生活と生計を守る実践的な事例が紹介されています。久保田はさらに、こうした取組みを持続的に支えるうえで「データとエビデンスに基づく政策立案」の重要性を指摘し、世界銀行が単なる資金提供機関ではなく、「ナレッジ・バンク」として各国のデータ整備や実践的な都市政策支援を行っていることを強調しました。

このセッションには、ルワンダ・キガリ市およびマレーシア・クチン南市の市長も参加し、それぞれゼロ・ウェイストや循環型社会の実現に向けた都市の取り組みを発表しました。これらの都市事例は、ローカルレベルでの循環型経済の可能性を示す実践例として注目を集めました。

発表とディスカッションを通じて、循環型経済の実現が都市の持続可能性と包摂性を高める鍵であることが改めて示され、都市同士が経験を共有し、パートナーシップを深めながら、よりクリーンでレジリエントな未来を築いていく重要性が強調されました。

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