持続可能でリバブルな都市を実現するために、都市をグリーンにすることは、今や最も重要な要素の一つとなっています。 TDLCはこのテーマに関する多くの知識共有活動を実施し、都市のグリーン化への取り組みを発表し、議論を行う機会を提供してきました。 TDLCの都市連携プログラム(CPP)のパートナー都市である横浜市が開催する第13回アジア・スマートシティ会議(ASCC)が10月22日から24日にかけて開催されました。TDLCは協力機関としてこの会議に参加し、「グリーンで強靭性の高い都市の実現に向けた都市レベルの取り組み」をテーマに、海外からの代表団を招いて議論を行いました。
オープニングセッションでは、アンヘリカ・ヌニェス世界銀行 都市・防災・強靭性・土地グローバル局マネージャーが挨拶を行い、都市には世界の人口の約半数が住み、70%の温室効果ガスを排出するなど様々な課題を抱えていると指摘し、都市こそが課題解決における最前線に立つべきだと強調しました。
24日に行われたTDLCによる「強靭でグリーンな都市づくり〜海外に学び倣うソリューション〜」をテーマとしたセッションには、世界銀行プロジェクトの4都市・地域における取り組みが紹介されました。
インドネシア パル市のハディアント・ラシード市長 は、2018年の大地震後の都市の強靭性構築へのビジョンを発表し、都市の強靭化において、包括的なアプローチをとコミュニティ関与の重要性を強調しました。
ウズベキスタン、タシケント市代表のテミュール・イブラギモフ氏は、デジタルツールを活用して市民の意見を収集し、都市問題に直接対応する取り組みを紹介しました。タシケント市の事例は、リバブルな都市の実現化と脱炭素化や市民のウェルビーイング、市民参加型都市計画との関連性を示しています。
ウズベキスタンのサマルカンド市からは、ヌルムハマド・ホシモフ氏が、グリーン都市を目指すための市・地域・国家レベルでの様々な取り組みを紹介し、脱炭素化のためには部門横断的なアプローチが重要であることを強調しました。具体例として、住宅や商業施設への太陽光エネルギーシステムの導入や、電気バスの導入が挙げられました。
パキスタン、パンジャブ州からは、サバ・アスガール・アリ氏が、スモッグの軽減に向けた政策の一環として、国際・地域協力の重要性とその効果について言及しました。また、世界最大の人工林の一つであるチャンガマンガ森林公園を、森林破壊問題に対処するための意欲的な取り組みとして紹介しました。
参加者からは施策に関する具体的な質問が寄せられ、強靭でグリーンな都市づくりの実用的で有意義な知見共有の場となりました。
クロージングセッションでは、TDLCのクリストファー・パブロチームリードが、横浜市の山中横浜市長を迎え、グリーンな都市の実現に向けた地域の取り組みや国際協力の重要性、今後のASCCへの期待について議論を行いました。
気候変動や脱炭素が都市にとって喫緊の課題である中で、国境を超えてその取り組みを共有し議論する機会はますます重要になっています。TDLCは今後も、日本の都市や海外都市との協力によりこうした機会に積極的に参加していきます。