

2025年8月20日、横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)において、世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)は「アフリカの目覚め:経済成長と雇用創出の触媒」をテーマとしたセッションを開催しました。TICADは、1993年以来日本政府が主導し、国際連合、国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会(AUC)、世界銀行との共催によって実施されている、アフリカ開発に関する国際会議です。
都市開発は雇用創出と包摂的な経済成長の推進力であり、世界銀行グループでは雇用を都市開発の柱として重要視しています。急速に進むアフリカの都市化を背景に、世界銀行が近々発表を予定しているレポート『アフリカの覚醒:経済成長と雇用創出の触媒』の知見を共有し、計画的かつ適切に計画される都市化が、いかに雇用と繁栄の強力な原動力となるかを議論しました。
日本、そして世界が期待するアフリカ
冒頭では、財務省の緒方健太郎国際局長が登壇し、日本がアフリカ諸国の都市開発を包摂的成長の実現に活用できるよう支援する強い意思を表明しました。
続いて、世界銀行の西尾昭彦開発金融総局担当副総裁が、都市計画、インフラ投資、金融システムをアフリカの雇用・成長の優先課題と整合させる重要性を強調し、本セッションの議論の方向性を提示しました

プレゼンテーション:雇用と都市化
世界銀行 都市・防災・強靱性・土地グローバル・プラクティスのリード都市エコノミスト であり空間・領土開発部門 共同グローバル・リーダーのマーク・ロバーツは、「アフリカの目覚め:経済成長と雇用創出の触媒」と題した基調講演を行い、最新の調査結果を紹介しました。
プレゼンテーションでロバーツは、アフリカが前例のない規模で都市化を経験しており、都市人口は2050年までに約15億人へ倍増する見通しである一方で、これまでの急速な都市化は「成長なき都市化」にとどまっていると指摘しました。今後25年間で6億6700万の新たな雇用創出が急務であると強調し、若く変化する人口動態、構造転換、集積の便益という「三つの好機」と、分断された密度、準備不足の拡張、停滞する地方都市という「三つの課題」を提示しました。そして、アフリカの都市を雇用と生産性のエンジンへと転換するための政策優先課題を提言しました。

グローバルおよび地域リーダーからの知見
続くパネルディスカッションではロバーツに加え、日本、アフリカの自治体リーダーと都市専門家が、世界銀行シニア都市開発スペシャリストのジョン・カー・カウの進行のもと、意見交換を行いました。

議論を通じての学び
今回の意見交換を通じて、アフリカの都市の未来に向けて以下の優先課題が浮き彫りとなりました:
TDLCが架け橋に
TDLCは引き続き、世界銀行のレポート『アフリカの目覚め:経済成長と雇用創出の触媒』の作成を支援する予定です。日本の都市開発の知見をグローバルに紹介することで、日本とアフリカのパートナーをつなぐ架け橋の役割を果たします。神戸市長は、レジリエンス、つながり、住みやすさといった日本の教訓が、急速な都市化に直面するアフリカにとって価値があることを改めて示しました。
都市開発と雇用に関する国際的な対話への積極的な参加は、日本の貴重な知見と専門性を世界に共有し、都市と雇用の課題に取り組むための協力体制の構築に向けた、TDLCのコミットメントを示しています。
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