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Statement 2020年4月17日

世界銀行グループ、新たなマルチドナー信託基金創設へ 途上国が感染症流行への備えを強化できるよう支援

(仮訳)

ワシントン、2020年4月17日 
---- 保健安全保障を世界規模で強化し、途上国による感染症流行に対する準備への支援が急務となっていることを受けて、世界銀行グループは「保健危機への備えと対応に係るマルチドナー基金(HEPRF)」の創設を計画している。この新たな基金は、途上国が新型コロナウイルスの感染拡大が保健に及ぼす影響に迅速に対応し、景気回復を促進できるように、世界銀行グループが今後15カ月間に提供する最大1,600億ドルの資金援助を補完し、追加的に提供されるものである。 

HEPRFは、保健危機への備えにさらなる投資を行うインセンティブを低所得国に提供し、新型コロナウイルス感染症に対する緊急対応を支援する。これにより、HERPFは現在そして将来にわたり、保健安全保障に対する重要な投資を導くものとなる。具体的には、本基金は以下を実施する。

·         IDA適格国に対し、保健危機への備えにさらなる投資を行うインセンティブを提供する。例えば、IDAからの配分額を保健危機の予防、発見、対応の強化に活用することを奨励する協調融資グラントを提供する。

·         IDAの危機対応ウィンドウを補完する形で、低所得国が早い段階で感染症の大規模な流行に迅速かつ効果的に対応できるようにする。債務返済に遅延が生じているIDA借入国や信用力のないIBRD対象国など、資金調達の手段を持たない国・地域も支援する。

現在、新しい「保健危機への備えと対応に係るマルチドナー基金(HEPRF)」はすべてのドナー国から拠出を受け付けており、すでに日本が創設ドナーとなる意向を表明している。世界銀行と日本は、最も支援を必要としている低所得国が感染症の大規模な流行に備え、対応できるように、他のドナー国にも本基金への拠出を呼びかけている。 

「新しい『保健危機への備えと対応に係るマルチドナー基金(HEPRF)』は、世界銀行が低所得国や難民など最も脆弱なコミュニティを支援するために展開している新型コロナウイルス感染症対応や長期的な保健対策に活用できる新たな手段となるものだ。」と、世界銀行のアネット・ディクソン人間開発担当副総裁は述べる。「我々は、保健安全保障の分野で日本政府が発揮しているリーダーシップに感謝しており、他のドナー国にも基金への参加を呼びかけている。」

「保健危機への備えと対応に係るマルチドナー基金(HEPRF)」は、世界銀行の信託基金改革の一環として、「保健安全保障のための包括的プログラム」を支えるものとなる。この包括的プログラムの目的は、各国が保健危機への備え、疾病監視、試験・診断能力、保健人材、緊急対応といった公衆衛生能力を強化できるよう支援することである。