ワシントン、2026年4月17日 - 中東情勢の変化をはじめ世界的な不確実性が高まる中、国際開発金融機関(MDBs)の代表者は本日、各機関の加盟国経済における安定の確保、開発成果の維持及び高まる諸圧力への対応に向け、より緊密に協力していくことの重要性を改めて強調した。
「グローバル環境が複雑化し変化を続ける中、MDBsは加盟国及びクライアントを支援するため、これまで以上に緊密に連携している」と、神田眞人アジア開発銀行総裁兼現MDB代表グループ議長は述べた。「我々は資金力、知見、パートナーシップを結集することで、各国が喫緊の課題に対応しつつ将来に向けた強靱性を構築できるよう支援している。」
代表者たちは本日、世界銀行グループ・IMF春季会合と合わせて開催された会合において、現下の世界情勢の影響がエネルギー価格の上昇、サプライチェーンの混乱、金融環境の引締まりといった形で既に顕在化していることに留意した。また、各国及びクライアントがリスクを管理し、マクロ経済の安定を維持し、脆弱層を保護できるように、MDBsとして適時かつ効果的な支援を展開する用意がある旨を強調した。
こうした背景の下、代表者たちは各機関それぞれの使命、戦略及び重点分野に則した形で、民間セクター開発、雇用創出、インフラ整備及び長期的かつ持続可能な成長を重点として連携を深化させ、大規模なインパクトを実現するとのコミットメントを改めて確認した。
民間セクター開発と雇用創出の促進
代表者たちは、MDBsが融資可能な案件を組成した上で民間資本を大規模に呼び込むことを可能とするオリジネート・トゥ・ディストリビュート/シェア(組成・転売/共有)アプローチなどを通じて民間資金の動員及び資金供給能力の拡大に向けた取組みを強化することの重要性を強調するとともに、これを推進するための作業部会を設置することで合意した。また、グローバル新興市場(GEMs)コンソーシアムを通じた新興市場における信用リスクの透明性強化のほか、国内金融市場の発展などを通じた為替リスクの軽減にも資する現地通貨建て融資の拡大、ブレンド・ファイナンスの規律ある活用の重要性についても確認した。さらに、貧困からの脱却、社会的結束の強化及び脆弱性の低減につながるより多くのより良い雇用の創出に向けたMDBの事業効果を測定するための共通アプローチについて、連携を一層深めていくことで合意した。
成長と強靱性のための主要分野におけるMDBsの連携強化
MDBsは、各機関が事業を実施する国々において、エネルギー安全保障、デジタルトランスフォーメーション、雇用創出及び付加価値の創出を支援する観点から、多様で強靱かつ責任あるサプライチェーンの構築に向けて重要鉱物分野での協力を強化している。また、MDBsは投資適格で規模拡大も可能な水システムの整備をグローバルに推進し、雇用、創出、食料安全保障及び強靱性の促進を図る「水の安全保障推進イニシアティブ」を立ち上げた。また、人工知能(AI)を含むその他の優先分野においても協働を継続する旨を述べた。
MDBs全体としての実効性向上
代表者たちは、MDBsが質と価値をこれまで以上に重視することを、より実効的かつ一体的に活動していくことへのコミットメントを再確認した。MDBsの資金によるプロジェクトの質と持続可能性を確保するため、調達における「バリュー・フォー・マネー(VfM)」の共通枠組みに合意した。各MDBは、それぞれの業務環境に即して同枠組みを適合させていく。さらに、MDBsプロジェクトにおける協調融資の円滑性確保のため、相互信頼枠組みの活用が進展している旨も強調した。
代表者グループは、アフリカ開発銀行グループ、アジア開発銀行、アジアインフラ投資銀行、欧州評議会開発銀行、欧州復興開発銀行、欧州投資銀行、米州開発銀行グループ、イスラム開発銀行、新開発銀行、世界銀行グループから構成される。なお、国際通貨基金も代表者議論に参加している。