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プレスリリース 2021年6月29日

綿密に設計されたプライマリ・ヘルスケアは、新型コロナウイルス感染症のような公衆衛生上の危機の抑制に貢献

世界銀行の新報告書、途上国のプライマリ・ヘルスケアへの大規模投資を提言

ワシントン、2021年6月29日 – 新型コロナウイルス感染症は、世界各地で保健システムが抱える多くの弱点を浮き彫りにし、品質とサービス内容における不備を助長させつつ、公衆衛生上の緊急事態において質の高いプライマリ・ヘルスケア(PHC)が果たす重要な役割に光を当てている。世界銀行の新報告書「約束を実行する:コロナ後に向けたプライマリ・ヘルスケアの再考」によると、入念に設計されたPHCは、疾病監視、検査、感染追跡、コミュニティの啓蒙活動、ワクチン接種などを通じ、また病院が重傷者で溢れるような事態を防ぐことで、新型コロナウイルス感染症のような公衆衛生上の危機を抑制する可能性がある。

同報告書は、PHCを再考し、目的に適ったものとなるようにするためのアジェンダを示している。PHCへの投資は大きな見返りを生み、強靭性と持続可能性を強化するとして、各国とドナーに対し投入資金の大幅な拡大を求めている。

「現在の危機は保健と経済の両方に壊滅的な損失をもたらしているが、他方で、保健システムの状況を一変させるための数十年に1度の機会となっている。」と、世界銀行のマムタ・ムルティ人間開発担当副総裁は述べた。「危機のときも平時でも、強力なPHCが人命を救い、金銭的損失を防ぎ、より強靭な保健システムを構築する。」

同報告書は、各国政府がどうすればPHCを改善できるか、世界銀行のようなパートナーがこの重要な取組みをどのように支援できるかを示している。同報告書はまた、各国政府が、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成と将来の公衆衛生上の危機の予防を目標に、人々の健康状態改善に取り組むよう強く求めている。

同報告書は、PHCの再考に当たり、4つのハイレベルな構造転換を挙げ、設計、資金調達、実施について提言を行っている。

  • 低品質のサービスを高品質なサービスに転換:多くの専門分野を網羅するチームによりPHCの範囲拡大と品質向上を図る。
  • 断片的なケアから患者中心の総合的ケアに転換:PHCチームが結束して、患者のニーズに基づいたケアを実施する。
  • 格差を是正し、公平性と説明責任を強化:保健医療の成果を上げるため説明責任を重視し報いる、公平で効率的なPHCを実施する。
  • 脆弱性から強靭性への転換:PHCチームが公衆衛生に関する調査と啓蒙活動を実施し、保健セクターの計画立案と資源配分では、多数の患者に対応できる財源と人材を確保する。

「21世紀にふさわしい保健医療分野の進歩を促進するため、プライマリ・ヘルスケアには新たなレベルのパフォーマンスが求められる。」と、世界銀行の保健・栄養・人口グローバル・ディレクターを務めるムハンマド・パテ博士は述べる。「各国によるシステム再考を支援するため、世界銀行は大きく3つの支援メカニズムを用意している。資金へのアクセス強化、実態に即した公的医療の知識動員、政策対話と技術協力のための専門プラットフォーム構築である。」

同報告書はまた、各国政府が、チームで実施するPHC、PHC要員の強化、持続可能で十分な資金という3つの優先課題に沿って適切に機能するPHCの実現に向けて活用できるよう、広範なイニシアティブについて助言を提供している。 

世界銀行グループの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策

新型コロナウイルス感染症の世界的流行が始まって以来、世界銀行グループは、感染症が保健、経済、社会に与えた影響に対応するため、創設以来最短にして最大の危機対応となる1,250億ドル以上の提供を誓約している。この資金は、100カ国以上において、感染症流行予防の強化、貧困層の保護と雇用の維持、気候変動に配慮した回復の活性化に役立てられている。世界銀行はまた、低・中所得国による新型コロナウイルス感染症ワクチンの調達・配布、検査、治療を支援するため、120億ドルを提供している。

World Bank HealthのTwitterをフォローする(英語): @WBG_Health


プレスリリース番号: 2021/183/HNP

お問い合せ

東京:
開裕香子
(+81-3) 3597-6650
yhiraki@worldbankgroup.org
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