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プレスリリース 2021年2月23日

女性の経済的機会を阻む法律面の制約-さらなる改善が必要、と新報告書

新型コロナウイルス感染症の世界的流行経済・社会的影響がジェンダー格差を助長

ワシントン、2021年2月23日 – ジェンダーの平等については各国で少しずつ改善がみられるが、世界中の女性が今なお法的規制により経済的機会に制限を受けている上、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が保健、安全、経済的安定の面で新たな脅威となっている、と世界銀行の新報告書「女性・ビジネス・法律2021」は指摘している。   

同報告書によると、女性の経済参加を阻む障害を取り除くための改革は多くの地域でペースが遅く、また地域によってばらつきがある。女性に認められた法的権利は、平均すると男性のわずか4分の3に過ぎない。女性は今回の感染症流行が始まる以前から既に不利な立場に置かれており、感染症の影響を緩和するための政府の施策は革新的ではあるものの、多くの国で限定的だと同報告書は指摘する。

「より効果的な開発成果を実現するには、女性による全面的な経済参加が必要である。」とデイビッド・マルパス世界銀行グループ総裁は述べた。「多くの国で進展がみられるものの、女性が男性の監視なしに旅行することに制限を設けるなど、いくつかの国では成果が失われ気がかりな状況がみられる。今回の感染症流行は、就学や就職の際の制限など、女性・女子を不利な立場に立たせてきたこれまでのジェンダー格差を悪化させている。さらに女性は家庭内暴力の増加や保健・安全面での一層の困難にも直面している。女性も男性と同様の資金調達手段や相続権を与えられるべきであり、新型コロナウイルス感染症の世界的流行からの包摂的で強靭な回復に向けた我々の取組みにおいて女性を中心に位置づけなければならない。」

同報告書は、2019年9月から2020年10月までの期間に8つの分野の法規制が女性の経済的機会にいかに影響を及ぼしたかを190カ国を対象として検証している。コミュニティ内での移動といった基本的な事項から、仕事、子育て、引退に至るまで各種の課題に関する客観的で測定可能はベンチマークが設定されており、ジェンダーの平等達成に向けた世界全体の進捗状況がデータで示されている。同報告書は今回の感染症流行を受け、新型コロナウイルス感染症危機への各国政府による対応と、流行が育児、司法アクセス、保健・安全の面において仕事と家庭の両方で女性に及ぼした影響を検証している。

全体として多くの政府が、感染症流行が働く女性に与える影響の一部については対応策を実施している、と同報告書は指摘する。例えば、今回の感染症流行以前に、子育て中の従業員に育児休業を法的に保証していた国は、調査対象となった国のうち4分の1未満だった。その後、学校閉鎖が行われたことで、世界全体で新たに40カ国近くが育児を支援するための休暇や給付金ポリシーを導入した。それでも、働く多くの母親が既に直面する課題や子育てをめぐる危機的状況に対応するには、こうした措置だけでは不十分である可能性が高い。

今回の感染症流行は、ジェンダーに基づく暴力の深刻化と頻度の高まりも招いている。暫定的な調査結果によると、2020年初頭以降、各国政府により、女性を暴力から守るためのホットライン、心理的支援、シェルターなど、新たに約120の施策が導入された。この中には、都市封鎖期間内の家庭内緊急事態の宣言や、家庭内の問題に関するリモートでの法的審理進行の許可など、様々な形で司法アクセス改善措置を講じた政府もある。とは言え、こうした暴力の根本的原因に対処するための措置や政策の制定については、各国ともまだ改善の余地がある。「女性が今回の危機を乗り切れるよう多くの国が先を見越した措置を講じていることは心強いが、育児休暇の拡充や賃金の平等化を中心に、さらなる取組みが求められていることは明らかだ。」 と、マリ・パンゲストゥ世界銀行専務理事(開発政策・パートナーシップ)は述べた。「各国は、女性の経済参加を促進するための法的環境を整備することにより、女性が自らと家族のために最善の決断を下すことができるようにする必要がある。」

今回の危機にもかかわらず、すべての地域のすべての所得レベルの合計27カ国が、報告書の調査対象となった全分野において改革を実施し、調査対象期間に45件の法律制定に当たり優れた実績を上げた、と同報告書は指摘する。一番数の多かった改革は、賃金と子育てに影響を与える法律の制定または改正だった。

ただし、子育ては世界全体で改善の余地が最も大きな分野でもある。具体的には、有給育児休暇の導入、政府負担による手当金、妊婦の解雇の禁止などが含まれる。また、女性には仕事、業務、労働時間の選択肢に制約があるため、賃金が低めの仕事に就かざるを得ない点も改革の必要がある。さらに、同等の業務に対し男女間で同一賃金とすることを法律で義務付けていない国は100カ国に上る。法律面でジェンダーの平等を達成するには、政府、市民社会、国際機関などを中心とする協調した取り組みが欠かせない。だが、法改革や規制改革は、女性とその家族やコミュニティの生活を向上させるために重要な役割を果し得る。同報告書の調査対象分野におけるパフォーマンス改善は、開発成果におけるジェンダー格差の縮小、女性の労働参加拡大、不安定な雇用の改善、国会議員に占める女性の割合拡大と連動している。


プレスリリース番号: 2021/101/DEC

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