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プレスリリース 2020年8月6日

世界銀行が初の総合的なアジア・インフラ・サービス検証結果を発表

インフラの質・量の現状理解促進というニーズに対応

ワシントンDC、2020年7月30日: 世界銀行は新たな報告書「アジアにおけるインフラ」を発表し、アジアのインフラにおける3大セクターである道路輸送、電力、水・衛生の整備状況についてのデータを公表した。アジア全域を対象としたインフラ・サービス供給、品質、価格について初の総合的検証結果をまとめた同報告書は、政府によるインフラ計画の立案と資金調達を円滑に進めるために現時点でのサービス・レベルへの理解を深めることの必要性を浮き彫りにしている。投資計画を入念に練ることは、経済成長率の上昇、競争力の強化、新たな経済機会の提供、人的資本への投資加速につながる。

世界全体での望ましいインフラ整備についてより広範な知識を構築することは、世界銀行にとっての優先課題である。「アジアにおけるインフラ」は新たなリサーチの第一歩であり、今後こうした取り組みは、ほかの地域にも展開する予定だ。同報告書は、セクター別に地域の概要をまとめた上で、国別の事例も紹介している。

過去数十年間、東アジアと南アジアの大半は目覚ましい経済成長を経験し、社会開発も着実に進んできた。とは言え、同地域のインフラ投資は極めて限定的だ。さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的流行とグローバル経済の鈍化や借入コストの上昇、地政学的緊張など短期的要因が状況を悪化させている。また長期的にも、同地域は気候変動から大きな影響を受けやすいため、インフラ整備は持続可能かつ気候変動への強靭性を備えたものでなければならない。

イマド・ファクーリ世界銀行インフラ・ファイナンス・官民パートナーシップ・保証担当グローバル・ダイレクターは
、これについての2つの重要な点を強調している。「より賢明な投資に集中する必要がある。それは必ずしも投入する資金を増やすという意味ではない。テクノロジーを駆使したインフラ整備や、より少ない資源でより多くを達成するためのデータを活用した効率性の確立が重要だ。」 

「また、政策、組織・制度、投資の強化、より精緻な計画立案、徹底したプロジェクト準備、投資の優先順位付け、官民いずれから調達するかの審査に加え、強靭性、品質、透明性、財務の持続可能性を注視するなど、『インフラ・ガバナンス』を高めることも求められている。これは、新型コロナウイルス感染症危機への対応とよりよい再建の一環としての強靭な回復段階に向けた動きを加速させるために極めて重要である。」と同ダイレクターは指摘した。

経済と社会に真の効果をもたらすインフラの整備となると、対象範囲だけでなく品質も同様に重要となる。世界中の国の政府とその開発パートナーが、インフラ・サービスの提供における強靭性と品質の重要性への認識を高めるようになってきている。 「アジアにおけるインフラ」は、単なる対象範囲の評価にとどまらず、インフラの品質を複眼的に評価する一連の重要指標を提供している。

インフラの品質面を検証したにもとどまらない。通常であれば、様々なセクターや国から情報やデータを広く収集し比較するには膨大な時間がかかるが、これらをひとつにまとめた点が同報告書独自の貢献となっている。
 

「アジアにおけるインフラ」の報告書本体はこちら

  


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202-458-2097
csantospianesi@worldbank.org
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(+81-3) 3597-6650
yhiraki@worldbankgroup.org
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