プレスリリース

水銀に関する水俣条約 地球環境ファシリティ(GEF)が途上国へ資金支援

2013年10月10日


水銀条約外交会議が条約を採択、各国が署名

(2013年10月10日、熊本) 水銀に関する水俣条約外交会議は、同条約を採択し、各国の署名が行われた。これまでに同条約に署名した国は、80ヵ国以上に上る。同条約は、地球環境ファシリティ(GEF、石井菜穂子CEO兼議長)が条約の実施のための資金を途上国に支援することを規定している。

条約の採択について、石井CEO(統括管理責任者)は、「水銀汚染から人の健康と環境を守る上での歴史的な一歩。GEFは、条約実施のための資金を途上国に支援するという、新しい役割と責任を果たしていく。」と述べた。また、「国際社会がGEFに資金支援の役割を託してくれたことは、身の引き締まる思い。各国が条約を迅速に批准し実施できるよう、必要な準備を進めていく。」と加えた。

GEFは、水銀関連プロジェクトを既に実施してきており、条約の早期発効を支援する準備は整っている。GEFは、条約に署名した途上国が批准のための環境を整備することができるよう「批准促進プログラム」として、最大1000万ドル(約10億円)の予算を確保している。同プログラムにより、途上国は、水銀の使用・生産の状況や水銀排出源の把握、条約を批准し実施するのに必要な政策や制度の点検等を行うことができる。これらの支援は、2014年6月末に終了する第5次増資期間中に行われる。

GEFは、条約交渉の進展に貢献するために、水銀関連プロジェクトを試行的に実施してきた。GEFは、これまで17プロジェクトを21ヵ国で実施し、34百万ドル(約34億円)を支援してきた。第6次増資は現在交渉中であるが、水銀に関する水俣条約の支援は増資交渉において主要な論点の一つとなっている。GEFは、この歴史的な条約のための資金が適切に確保されるよう、GEF信託基金への拠出国との調整を進めている。

 
地球環境ファシリティ(GEF)について

地球環境ファシリティ(GEF)は183ヵ国により構成され、各国の持続可能な開発を支援し地球環境問題に対応するために、国際機関やNGO、民間セクターとのパートナーシップを構築している。独立した資金機関として、GEFは生物多様性や気候変動、国際水域、土地劣化、オゾン層保護、残留有機性物質に関連したプロジェクトに無償資金を提供している。

1991年の設立以来、GEFは計165の途上国や市場経済移行国において3215のプロジェクトを実施してきており、その支援額は115億ドル(約1兆1500億ドル)に上り、570億ドル(約5兆7000億円)の協調融資を引き出した。また、草の根支援型プログラム(Small Grants Programme)を通じて、NGOや地域団体に 1万6030件の支援を行い、その支援額は6億5320万ドル(約653億円)に上る。

メディア連絡先
GEF事務局 ワシントン
上級環境専門官  瀧口博明
電話: +1-202-458-2789
htakiguchi@thegef.org



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