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2025年12月17–18日 | 日本・東京

地域の視点を反映させたグローバルな報告書

人工知能は、アジア・太平洋地域における包摂的な開発をどのような形で進展させることができ、地域の現状はグローバルな政策議論にどう影響を及ぼすべきでしょうか。

2025年12月17–18日に開催された「世界開発報告(WDR)2026:開発のための人工知能」の地域コンサルテーションは、地域の経験、制度的制約、政策的優先課題を、間もなく発表される「世界開発報告2026」の分析枠組みと提言に直接反映させるという明確な目標の下に開催されました。政策担当者、民間セクターのリーダー、研究者、国際的な専門家が一堂に会し、開発に関する世界各地での対話を導く報告書に体系的な地域的インプットを提供しました。

コンサルテーションでは、報告書が地域の現実的な政策環境を反映したものとなるよう、アジアの労働市場、ガバナンスシステム、開発課題について分析が行われました。

技術論から開発戦略へ

議論では、AIの開発は、技術だけでなく、政策次第でもあるとする中核的メッセージが強調されました。

生産性の向上やイノベーションの恩恵を実現するには、スキル開発、規制の設計、制度的能力の強化といった補完的改革が不可欠です。こうした基盤がないまま、技術の導入が自動的に包摂的成長に結びつくことはないでしょう。

雇用や格差への影響も重要な論点でした。AIは、サービス業、小売業、製造業を中心に、企業と労働者の生産性を高めることが可能です。しかしその一方で、導入のばらつきや根強いスキル格差は、包摂的な政策措置が早期に講じられなければ、所得格差の拡大につながるリスクがあります。

大きな機会がある分野として公共サービスの提供が取り上げられました。保健や教育分野におけるAIの活用は、人材不足、行政手続き上のボトルネック、非効率なサービスの解消に寄与する可能性があります。一方で、多くの途上国においては、インフラ面の制約や技術的課題が依然として大きな制約要因となっています。

ガバナンスの整備は極めて重要であるとする点が指摘されました。国のAI戦略、柔軟な規制枠組み、ビジネス環境改革によりAI導入が責任ある生産的な開発成果をもたらせるか否かを左右します。

地域と世界のリーダーシップの結集

コンサルテーションの冒頭、ガウラブ・ナイヤール世界銀行 世界開発報告2026担当局長が分析枠組みについて説明しました。また、WDR2026共同アカデミックリードを務めたスタンフォード大学経営大学院のスーザン・アシー教授が基調講演を行いました。

バンバン・ブロジョネゴロアジア開発銀行研究所(ADBI)所長が議長を務めたハイレベル・パネルには、インダーミット・ギル世界銀行グループチーフエコノミスト兼上級副総裁、アルバート・パーク アジア開発銀行チーフエコノミスト、ウフク・アクチギット シカゴ大学教授、ツィリジ・マルワラ国連大学学長が登壇しました。コンサルテーションの最後には、日本に焦点を当てたマルチステークホルダー・ラウンドテーブルにおいてAIに関する優先事項や規制アプローチについての議論が行われました。

こうした対話では、技術の進歩を、制度としての準備態勢と包摂的規制と整合させることの重要性が改めて強調されました。

地域協力の強化

コンサルテーションは、世界銀行グループ の経済開発研究所(IED)東京イニシアティブと、アジア開発銀行研究所との連携により実施されました。両機関の連携は、国際開発機関、日本のステークホルダー、域内各国の政策担当者の間での、AI活用の準備態勢、規制の設計、開発戦略に関する協力関係を強化しました。

コンサルテーションは、AIについての技術的な議論を開発戦略の課題へと発展させることで、今後の政策形成を方向付けるグローバルな報告書の中心に、地域の視点を反映させることができました。

当日のアジェンダなどはこちらからご覧いただけます。
Regional Consultation in Asia (英語)

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