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概要
- 20の先住民族コミュニティで600人以上の若者が技能訓練と資金援助を受け、そのうち80%が村で小規模な食品加工グループを結成。
- 約1,200人の農民が実践的な学習と資材の提供を受けて園芸手法を高め、収穫量の増加、栄養の改善、所得の増加を実現。
- 中等学校の生徒約1,200人が実践的なバイオガーデン活動に参加し、家庭と地域社会の双方に利益をもたらす持続可能な園芸技術を習得。
サモン・ソフィは地元で作られた色鮮やかなスナックを並べた台の後ろに立ち、やってきた人たちを誇らしげに出迎えています。「これで収入を増やし、地元の農産物を買ってスナックを作ることで農家を支援できます」。ソフィは、農産物の食品加工を専門に行う先住民族の若者グループの代表で、グループとして新たな技能を身につけたことを誇りに思っています。
ソフィたち15人のチームは2024年、日本社会開発基金(JSDF)の資金を受けたカンボジア先住民族コミュニティの持続可能な生活の質プロジェクトを通じて食品加工の研修を受けました。研修では他のグループから、生産技術のほか、自社製品の発表に先立ち市場に出荷する方法についても学びました。現在、ソフィのグループはパンプキンチップスのほか、タロイモやサツマイモを使ったスナックを生産していますが、地元で人気となりすぐに売切れています。
ところが、冷蔵設備や乾燥機が足りないため、生産が乾季に限定されるといった課題がまだ残っています。こうした課題に対応するため、プロジェクトでは、年間を通した生産が可能になるよう、ソフィのチームと他のチームにも乾燥機を提供する計画が進められています。
プロジェクトは、カンボジア、世界銀行、開発課題分析センターの共同の取組みで、地元の人々の自活支援のために新しい方法を試そうというものです。JSDFから275万ドルの支援を受け、これまでに20の先住民族コミュニティで技能と資金を提供し、より価値の高い作物の栽培を通じ農場の内外で新たな収入源を見つけられるよう支援してきました。
プロジェクトは、これまでに先住民族の若者600人以上が職業教育と訓練を通じて食品加工やアグリビジネスの貴重な技能を習得できるよう支援してきました。今では、研修を受けた若者のうち80%がそれぞれの村で小さなグループを結成し、地元で加工施設を運営して豆乳、バナナチップス、パンプキンケーキ、ピクルス、さらには食器用洗剤などを作っています。
プロジェクトは若者グループだけでなく、約1,200人の農民が実演農場での実践的な学習を通じて優れた園芸実践を導入できるよう支援しています。学習を終えた農民は村に戻り、自分の畑でこうした技術を実践することができます。農民には資材や投入財、場合によっては防虫ネット付きのハウスや水道システムも提供され、生産性のさらなる向上に役立てられています。
ラタナキリ州オチュム・コミューンのレウン・クレン村で農業を営むベット・サオピアは、支援を受けたおかげで生産性、収入、家族の健康を向上できたと言います。「このように身体によい野菜を生産できるようになり、誇りに思うと同時に嬉しく思っています。日本の皆さんからのカンボジアへの支援に心から感謝しています。特に、カンボジアの農家やコミュニティの助けになる新しい技能の習得を手助けしてくださったことに感謝しています」
サオピアの村では明らかなプラスの影響が出ています。若い農民のメン・コイは夫とともに森に分け入り、山菜を採っては州内でも自宅から遠く離れた市場で売っていました。それが今では、裏庭に組み立てた防虫ネット付きのハウスで無農薬野菜を栽培できるようになりました。コイの栽培した農産物は村人や近隣コミュニティから高い評判を得ており、注文が頻繁に入るようになっています。
プロジェクトはまた、学校でのバイオガーデン活動を支援し、1,200人の中等学校の生徒を実践的な学習に参加させ、持続可能な園芸に関する実用的な技能を身につけさせています。この取組みは、学校、家庭、広く地域社会とのつながりを強化しています。
スレ・プレア中等学校の教師、ソム・エル・ソピアップは、ライフスキル・ガーデンを通じて作物の植え方や世話の仕方を学んだ生徒たちが、その技能を家庭で生かすことで家族の収入拡大と支出削減が可能になると言います。
ラタナキリ州とモンドルキリ州にはカンボジアでも特に大きな先住民族コミュニティがあります。これらのコミュニティは現在、社会経済開発のための土地割当てプロジェクトを通じて、土地の権利を確保し、より良い道路、学校、その他の基礎的サービスへのアクセスが実現しました。
それでも、多くの家族が貧困や食料不足に苦しみ、保健医療や教育へのアクセスも十分ではありません。豊かな農地と良好な気候に恵まれているにもかかわらずです。
カンボジア先住民族コミュニティのための持続可能な生計プロジェクトは、この問題への対応として、革新的な農作業や技術訓練を通じて生計支援を提供し、農家が市場や支援サービスとより効率的に連携できるようにしています。
農林水産省のケイ・コサル国務次官は、これら2件のプロジェクトは強く結びついていると言います。両プロジェクトは密接な連携の下、村落の支援、詳細な受益者プロフィールの作成、栄養の改善、そして重要な環境・社会管理計画の策定を進めています。そのパートナーシップは、地元の農家や起業家が協力して成功を目指せるようにする「生産者グループ」の設立につながりました。
「このパートナーシップで最も感動的な点の一つは、包摂性の重視です」と彼は言います。「園芸農家としての生産を奨励された先住民族には、新しい生計と持続可能な実践への扉が開かれます。同時に、地元の若者に革新的なアイデアが紹介され、雇用と収入を生み出す農産加工活動への関心が高まります」
これらのプロジェクトは今年には終了予定ですが、ソフィやサオピア、ソピアップなど目標達成に意欲的に取り組む人たちは、自らのビジネスや取組みが今後も発展し、地域社会のイノベーションと強靱性の精神を引き継ぎ、カンボジア農村部の状況を改善していくものと確信しています。
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