公共事業プログラム(PWP)は、一時的な雇用と収入を提供するという点で、困窮者を守るための選択肢として、長らく広く用いられてきました。PWPは単なる給与以上のもの、すなわち尊厳、目に見える地域社会への投資、そして長期的な発展の見通しを提供します。しかし、今日の世界は急速に変化しています。気候変動、デジタル変革、人口動態の変化は、経済が持続的に成長し、雇用を創出する方法の再考を迫っています。従来のPWPは、インフラ整備に関わる短期的で低スキルの雇用機会が中心で、即時の救済策は提供できても、持続的な恩恵を提供できていませんでした。これに対して、社会政策の実施方法を改善し、より広範で永続的な恩恵をもたらし、より多くのことをより良く行う、新しい世代のPWPが登場しています。

世界銀行が2025年12月に発表した新報告書「公共事業におけるイノベーション:変化する世界における雇用とスキルのための公共事業の再考」(Innovations in Public Works: Rethinking Public Works for Jobs and Skills in a Changing World)は、PWPにおける3つの革新的なアプローチを検討しています。すなわち、環境の持続可能性と気候変動対策に重点を置くグリーンPWP(生態系を保護し、気候変動リスクを緩和し、地域社会のレジリエンスを高める資産を構築)、 デジタル変革に重点を置くデジタルPWP(デジタル資産の創出、デジタルスキルの育成、公共サービスと意思決定のデジタル化を支援)、 ケア提供型PWP(満たされていないケアニーズへの対応と女性のケア負担を軽減し、コミュニティケアの提供、ケアに特化したスキルの育成、そして女性の就労を支援)です。

同報告書では、これらの新しいアプローチについて、新しい種類のアセット、就労形態、そしてサービス提供モデルに焦点を当てて検証し、それらがもたらす機会と課題を明らかにしています。これらのイノベーションは、人々をより効果的に保護すると同時に、包摂的で持続可能、そして雇用重視の経済発展を支援できることを示しています。

今回のモーニングセミナー(第216回)では、同報告書をとりまとめたマイケル・ウェバー世界銀行人的資本プロジェクト上級エコノミストと岡村優子 西部・中部アフリカ地域総局社会的保護プラクティス上級エコノミストが、同報告書の主なポイントを日本の皆様に向けてオンラインでご紹介します。使用言語は英語(日本語への通訳なし)です。

 

スピーカー

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マイケル・ウェバー

世界銀行 人的資本プロジェクト 上級エコノミスト

現職では世界各地の政策策定者や開発事務者と連携し、スキル開発、労働市場、社会的保護の分野における政策ソリューションの策定に造詣が深く、特に途上国における革新的な政策やプログラムに従事している。政府、企業、国際機関とともに、各国の人的資本の構築、保護、活用を支援しており、より良いスキルと仕事をより多くの人々に届けるための政策やプログラムの策定、実施、インパクト評価の経験を有する。2008年、世界銀行に入行し、サブサハラ・アフリカ、中東・北アフリカ、南アジア、東アジア、ヨーロッパ・中央アジア、ラテンアメリカの低所得国や中所得国で活動してきた。経済学博士号、経済学修士号、商学修士号を持つ。

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岡村優子

世界銀行 西部・中部アフリカ地域総局 社会的保護プラクティス 上級エコノミスト

東アジア、中東・北アフリカ、西アフリカにおいて、社会支援の改革・近代化を含む社会的保護の拡大に向けて各国政府を支援し、様々な分析業務や融資業務を主導。経済学を専門とし、現金給付、労働市場、ターゲティング、サービス提供、デジタル技術、ショック対応、気候変動、補助金改革といった観点から社会支援に関する論文を多数発表している。

イベント詳細

日時
2026年2月5日(木)午前9時~午前10時(日本時間)

開催形式
オンライン(Webex)

言語
英語(日本語への通訳なし)

お問合せ
世界銀行東京事務所・大森
komori@worldbankgroup.org

 

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