世界銀行グループの国別気候・開発報告書(Country Climate and Development Report: CCDR)は、気候変動と開発を統合する中核的な診断ツールであり、温室効果ガス(GHG)排出量の削減、適応力と強靭性の強化、より広範な開発目標の達成に最も効果的な行動を各国が優先的に講じる上で活用されています。

CCDRは、データと綿密な調査に基づき、GHG排出量と気候変動への脆弱性を削減するための主要な道筋を、その実施に伴うコストと課題、メリットと機会を含めて特定します。低炭素で強靭なトランジッションを支援するための具体的で優先的な行動を提案しています。CCDRは公開文書であり、政府、国民、民間企業、開発パートナーへの情報提供とともに、開発と気候変動の課題への関与を促進するとともに、世界銀行グループの他の診断ツール、各国との連携・業務に反映され、インパクトをもたらす気候変動対策への資金動員や資金調達に貢献します。

今回は、マレーシア、タイ、ベトナム、カンボジア向けの各CCDRの作成を主導したムトゥマラ・マニ世界銀行東アジア・太平洋地域総局首席環境・気候変動エコノミストの来日の機会を捉え、「リスクから強靭性へ:南東アジアに地域の成長を再考する」(From Risk to Resilience: Rethinking Growth in Southeast Asia )と題し、CCDRについて事例紹介を交え、お話ししました。

 

プログラム

報告 
ムトゥクマラ・マニ
世界銀行東アジア・太平洋地域総局 首席環境・気候変動エコノミスト

討論
蝶名林 俊
創価大学経済学部准教授

 

スピーカー紹介

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ムトゥクマラ・マニ

世界銀行 東アジア・太平洋地域総局 首席環境・気候変動エコノミスト

東アジア・大洋州地域における気候変動の緩和・適応、水、環境問題に関する調査分析業務を担当。マレーシア、タイ、ベトナム、カンボジアの国別気候・開発報告書(Country Climate and Development Report: CCDR)作成を主導。現職以前は、南アジア地域担当チーフエコノミスト室主任エコノミスト。それ以前は、環境グローバルプラクティス上級環境エコノミストとして、開発政策改革の環境面での影響に関する分析に従事。国別環境評価、自然資源管理、環境と制度・ガバナンス、貿易と気候変動などにも携わってきた。世界銀行入行前は、国際通貨基金(IMF)財政局エコノミストとして、マクロ経済政策の環境面の影響分析、国別プログラムへの環境配慮の統合などに従事。メリーランド大学で経済学博士号および経済学修士号を取得。2025年秋学期に創価大学経済学部客員教授として、講義を担当している。

イベント詳細

日時
2025年10月30日(木)午後0時~午後1時(日本時間)

開催形式
ハイブリッド(会場参加またはWebexによるオンライン参加)
※オンライン参加をご希望の方は、参加登録後、10月29日にWebexリンクを別途お送りします。
※会場参加の定員は15名です。

会場(会場参加の場合)
世界銀行東京事務所(東京都千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル14階)
アクセス

言語
英語(日本語への通訳なし)

問い合わせ
世界銀行東京事務所・大森
komori@worldbankgroup.org