主催:国際協力機構(JICA)
共催:AUDA-NEPAD
- 概要
背景
アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)協定の実施により2030年までに関税が撤廃されれば、アフリカ域内の農産物貿易は574%増加すると予測されています(WEF 2023)。しかしながら、近年、常態化しつつある「複合的危機」は、アフリカにおける農業セクターのポテンシャルと食料安全保障、産業競争力強化、更には安定的な経済成長のボトルネックとなっています。
このような状況下で、AfCFTAを十分に活用し、安定した食料供給と農産業バリューチェーンを確立するためには何ができるのか。JICAはこれまでアフリカにおいて、大陸アジェンダにアラインしつつ、AUDA-NEPADやAfCFTA事務局、その他関連機関と連携しながら、農業振興(CARD,SHEP)、民間セクター開発(カイゼン、イノベーション促進(NINJA))、AfCFTA推進につながる回廊インフラ整備や貿易円滑化の要素を組み合わせ、アフリカの農業及び産業振興と、それらの取り組みを通じた若者や女性を中心とした雇用創出促進のための協力を行ってきました。
キー・クエスチョン
<セッション1>アフリカにおける強靭な農業食料システムの確立
2025年1月に調印されたカンパラ宣言では、CAADP実施のための10年計画のアクションプランが採択された。同アクションプランでは、Agri-Food Systemsの強化が中心課題としてあげられています。その方策の一つとしてフードバスケットアプローチがAUにより提唱されており、アフリカ大陸の各地域(東アフリカ、中央アフリカ、南部アフリカ、西アフリカ、北アフリカ)で優先作物を設定し、そこに投資を集中することで域内の食料安全保障の確立を目指しています。域内での食料安全保障の確立ないし食料自給の達成のためには、生産量の増加だけでなく、域内で生産された作物の域内での流通促進が重要です。また、現状ではアフリカ域外からの輸入に頼っている国も多く、域外からの輸入品に対する競争力強化も課題となっています。本セッションでは、JICAがTICAD8の後に打ち出したJICAアフリカ食料安全保障イニシアティブを通じてこの課題にどのように対応しようとしているのかを、日本が長年にわたりアフリカにおいて協力を展開しているコメに焦点を当て、東アフリカにおける官民の関係者から事例を共有し、フードバスケットアプローチを通じた域内流通促進及び域外からの輸入品に対する競争力強化に向けた具体的な施策や戦略を議論します。
<セッション2>アフリカの農産業バリューチェーン・産業振興の強化による雇用創出
アフリカにおいて、食料安全保障と安定的な経済成長のために農業セクターの発展は不可欠である。かかる状況下において、JICAでは農業生産性向上といった農業セクター発展のための支援に加え、農産業バリューチェーンの強化に資するイノベーション創出(スタートアップ)支援、カイゼンを通じた現地企業の能力強化やABEイニシアティブを通じた産業人材育成、輸出に係る商品ブランディング支援等、様々な取り組みを実施しています。本セッションでは、AfCFTAの恩恵を最大限享受しつつ、域内及び各国の農産業バリューチェーンを強化し、若者や女性の雇用機会を増やしていくために、最新の取組事例を通して①域内産業、特にアグロビジネスの活性化・高付加価値化、②自由貿易・産業振興を下支えする産業人材育成、③域内貿易環境の改善の重要性について議論します。
目的
本セミナーでは、東アフリカを例に取り上げて最新の取組状況や事例を紹介しつつ、開発パートナーと協働を見据えた上で、アフリカにおいて農業セクターの持続可能な成長と、そのバリューチェーンにおける雇用創出を実現するための具体的なアクションを見つけることを目指します。
世界銀行からの登壇者
アンドリュー・ダバレン
世界銀行 アフリカ地域担当チーフエコノミスト
イベント詳細
日時
2025年8月20日(水)午前9時~午前11時30分(日本時間)
場所
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル
アクセス
開催形式
ハイブリッド(対面参加、オンライン参加)
詳細・参加登録
以下のJICAウエブページをご覧ください。
強靭な食料システムと民間活力によるアフリカの食料自給率の向上と雇用創出
お問合せ
世界銀行東京事務所・大森
komori@worldbankgroup.org