世界銀行東京事務所は2016年3月25日、ビジネスセミナー「東アジア・大洋州地域におけるエネルギーセクターの取り組みとビジネス機会」を開催しました。ミャンマー全国電化プロジェクト（National Electrification Project 、2015年9月16日理事会承認）を統括するタスクチームリーダー（TTL）でもあるデジャン・オストジック世界銀行東アジア・大洋州地域担当主任エネルギー専門官の来日にあたり開催したもので、エネルギー分野に従事する日本企業を中心に約50名の皆様にご参加いただきました。
エネルギー、水、運輸、情報通信などのインフラへの投資は、途上国の成長機会を促進し、世界銀行グループの2つの目標である「極度の貧困の撲滅」と「繁栄の共有の促進」を実現するためには不可欠です。世界銀行では、とくにエネルギーについては、すべての人々に手頃で安定的かつ持続可能なエネルギーの供給を目指し、エネルギーアクセスの拡大、発電・送電・配電におけるエネルギー効率の向上、水力・太陽光・地熱など再生可能なエネルギーの推進に注力しています。
セミナーでは冒頭、塚越保祐・駐日特別代表が挨拶を述べた後、オストジック主任エネルギー専門官が基調講演を行いました。まず世界銀行の役割とエネルギーセクター全般について概観した後、インドネシア、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア、太平洋諸島、ネパールをはじめ南アジア各国におけるエネルギー分野の取り組みをご紹介しました。このうちミャンマーについては、世界銀行、国際金融公社、多数国間投資保証機関が連携して2020年までに電力へのアクセスを30％から50％まで押し上げることを目標に取り組みを進めていることや、世界銀行グループ、国際協力機構（JICA）、アジア開発銀行がセクター計画、法制度、財政安定化、送配電、発電、農村エネルギーの各分野で連携していることをご説明しました。
続いて、池上隆夫・東京事務所ビジネスインフォメーションアドバイザーより、日本企業の皆様にご関心をお持ちいただける側面を中心に、オストジック主任エネルギー専門官による基調報告に対してコメントを述べました。2016年7月1日より、世界銀行の新調達ガイドラインの運用開始が予定されており、バリュー・フォー・マネー理念、コンペティティブ・ダイアローグやバリュー・エンジニアリングなどの新手法の導入が予定されています。これらに加え、エネルギー分野におけるビジネス機会を探るために、プロジェクトに関する基本文書の検索・入手方法などもご紹介しました。
世界銀行東京事務所では、世界銀行が拠出するプロジェクトにおけるビジネス機会にご関心をお持ちの日本企業の皆様を対象に、1～2か月に1回程度「世銀プロジェクト入門ワークショップ」を開催している他、企業の皆様からの個別相談をお受けしており、池上ビジネスインフォメーションアドバイザーと大森功一・上級広報担当官が相談窓口を担当しています。また、各地域やセクターにおける世界銀行の取り組み状況と今後の展開などをご紹介するビジネスセミナーの開催や、日本企業の皆様がワシントンや途上国を訪問される際の世銀スタッフとのアポイントメントのアレンジもお手伝いしています。最新のセミナー開催情報は、世界銀行東京事務所ウェブサイトに掲載する他、定期的に発行するeニュース「世銀ビジネスアップデート」でもご紹介しています。詳しくは、お問い合わせフォーム にて、または世界銀行東京事務所・大森komori@worldbankgroup.org までご連絡ください。
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プログラム
挨拶
塚越保祐 世界銀行グループ駐日特別代表
講演
デジャン・オストジック 世界銀行東アジア・大洋州地域担当 主任エネルギー専門官
当日の資料：World Bank’s Energy Program in Asia (PDF)
コメント
池上隆夫 世界銀行東京事務所ビジネスインフォメーションアドバイザー
当日の資料：世界銀行：新調達フレームワークとエネルギープロジェクト情報探索 (PDF)
司会
大森功一 世界銀行東京事務所上級広報担当官
スピーカー紹介
 世界銀行東アジア・大洋州地域担当 主任エネルギー専門官 1998年、世界銀行入行。ヨーロッパ・中央アジア地域総局電力技術官、同上級電力技術官、同主任電力技術官、東アジア・大洋州地域総局エネルギーセクターリーダーを経て、2014年より現職。世界銀行入行以前は、米国シカゴのハルザ・エンジニアリング社エリアマネージャー、米国パデュー大学客員研究員、セルビア・ベルグレート大学助教授を歴任。ベルグレード大学にて電力工学修士号・同博士号を取得。 |