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プレスリリース 2021年12月9日

多くの最貧国で長年の栄養改善努力を阻む新型コロナウイルス感染症 日本とカナダがグローバル・ファイナンシング・ファシリティに9,000万ドルの拠出を誓約

GFFが栄養ロードマップを発表:2025年までに最大100万人の命を救うため資金の30%をパートナー国での栄養投資に

ワシントンDC、2021年12月9日– グローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)は今週、日本で開催された栄養サミットで「栄養ロードマップ」を発表した。世界の最貧国の多くが直面する栄養危機への取り組みを支援し、栄養投資を通じて100万人の命を救うというこのロードマップは、栄養アジェンダで成果を上げ、必要不可欠な医療サービスおよび食料システムに新型コロナウイルス感染症がもたらす重大な影響に、各国が対応できるよう支援する。

栄養ロードマップの下、GFFは資金の30%を栄養投資に充て、以下の通り、各国を支援する:

  1. 栄養を母子保健サービス全般に組み込むため、効率的な資金調達の拡充を促進
  2. 質の高い栄養サービスを効果的に提供できるよう、コミュニティレベルや保健医療施設レベルで人材を育成
  3. 微量栄養素のサプリメントや調理不要の治療食などの栄養商品の確保と配布の徹底に向け、サプライチェーンを強化

新型コロナウイルス感染症危機下でそれぞれ新たに、930万人の子供が急性栄養不良に陥り、260万人の子供が発育阻害に苦しみ、16万8,000人の子供が栄養不良のため死亡するとみられ、2022年までに世界全体で推定290億ドルの生産性が失われる。

日本の三村淳財務省国際局長:

「社会がその可能性を最大限に発揮するために、栄養がいかに重要であるかを強調する機会として、東京栄養サミットを開催できたことを大変光栄に思う。栄養への投資は、一国の強靭で包摂的かつ持続可能な成長の実現に向けた将来の人的資本構築にとって、鍵を握る要素である。我々はGFFの栄養ロードマップを歓迎すると共に、民間資金を含め、栄養のための資金調達に触媒的役割を果たすものと期待している。本サミットにおける日本の広範なコミットメントの一環として、GFFに5,000万ドルの追加拠出を決定した。栄養をユニバーサル・ヘルス・カバレッジ・アジェンダに全面的に組み込むことを含め、世界が新型コロナウイルス感染症危機の影響を緩和・制御して回復へと向かう中、引き続き栄養が各国の最優先事項として確保されるようにしていく所存である。」

カナダのハルジット・サージャン国際開発大臣:

「カナダは、世界で最も貧しく社会から取り残された人々、特に女性や女児の栄養改善への取組みに尽力している。新型コロナウイルス感染症によって食料不安に陥る人が増える中、GFFやパートナー国と協力して、女性、子供、青少年の命を救う栄養支援に資金を提供し、必要不可欠な医療サービスの中で役立てられるよう支援できることを光栄に思う。GFFは十分な資金が提供されれば、さらに大きな成果を上げることができる。そこで、カナダはGFFの資金調達キャンペーンを共同で担当すると共に、5,000万カナダ・ドルの追加拠出を決定した。」

ルワンダのダニエル・ンガミジェ保健大臣:

「ルワンダ政府は国全体で保健・栄養分野の改善を図る革新的な戦略を実行・維持するために不可欠な支援をGFFから受けてきた。このような支援は今後も、経済開発、貧困削減、人的資本の構築に役立てられ、ルワンダ国民に最善の成果をもたらしてくれるだろう。」

フアン・パブロ・ウリベGFFディレクター兼世界銀行保健・栄養・人口グローバルプラクティスディレクター:

「今回の新型コロナウイルス感染症危機は、強力な栄養支援を母子保健サービスに全面的に組み込むための投資の喫緊の必要性を浮き彫りにしている。日本とカナダの寛大な拠出とリーダーシップにより、危機の打撃を被った最も脆弱な女性、子供、青少年を重点対象に、栄養と保健の分野で改善が促進されていることに感謝申し上げる。」

GFFモデルによる栄養改善の実績

GFFは2015年以降、栄養を女性や青少年、子供の健康と福祉のために不可欠な構成要素と位置付け、支援を提供してきた。GFFの使命は、女性、子供、青少年を重点対象とするユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現に向けて、各国が公平かつさらに自立した道筋を描けるよう支援することにあり、このアジェンダの核心にあるのが栄養不良対策である。GFFのパートナー国のうち、発育阻害に苦しむ5歳未満児の数が減少中の国は6カ国から8カ国に増え、中程度から重度の衰弱に苦しむ5歳未満児の数が減少中の国は7カ国から9カ国に増えた。

GFFの投資は、各国による以下の取組みを支えている:コミュニティレベルおよび保健医療施設レベルの人材育成、子供への食事の与え方改善に向けた医療従事者の研修、微量栄養素サプリメントや調理不要の治療食などの栄養商品の確保・配布のためのサプライチェーンの強化、栄養計画の策定、国内資金の動員、データ作成、展開の支援。

 

お問い合わせ: Nansia Constantinou; nconstantinou@worldbankgroup.org | +1 202.458.5008

 

グローバル・ファイナンシング・ファシリティについて

グローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)は、世界銀行のマルチステークホルダー・パートナーシップで、女性、子供、青少年の健康を改善するための各国主導の取り組みを支援している。各国はGFFの支援の下、女性、子供、青少年保健、栄養、福祉により大きな影響を与えるべく、賢明で重点的かつ結果重視の投資を進め、栄養アジェンダのためにより持続可能な資金調達力を構築し、民間セクターとの協力のためのより革新的な方法を模索している。

2015年にGFFが設立されて以降、パートナー国は母子保健の改善において大きな進展を遂げている。詳細は年次報告を参照。


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