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プレスリリース 2020年6月30日

信金中央金庫がサステナブル・ディベロップメント・ボンドに投資 ―世界銀行の保健医療や環境問題への取り組みに賛同―

2020年6月30日 東京―世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行:IBRD、ムーディーズ: Aaa、スタンダード&プアーズ: AAA)はこの度、総額2億米ドル(214億円相当)のサステナブル・ディベロップメント・ボンドを発行し、全国の信用金庫の中央金融機関である信金中央金庫(以下「信金中金」)が全額を購入しました。

信金中金は、全国の信用金庫とともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みを進めており、本債券への投資は、世界銀行が取り組む新型コロナウィルス感染症への対応を含む保健衛生・医療関連の支援と地球環境保全の支援を重要な投資テーマとしています。 

サステナブル・ディベロップメント・ボンドは、世界銀行が開発途上国のために取り組む農業・食料安全保障、教育、エネルギー、金融、貿易・産業、保健、行政・インフラ・ガバナンス、水・公衆衛生、ジェンダーの平等、環境等の幅広い分野の開発プロジェクトを支えるために国際資本市場で発行されます。

世界銀行が取り組む開発プロジェクトには、加盟国の新型コロナウィルス感染症対策の支援や非感染症予防と対処、すべての人たちが適切で支払い可能な費用で受けられる医療サービスの提供等の保健医療分野の支援、ゴミ処理問題、海洋プラスチックごみ等による海洋汚染問題や食品ロス・廃棄問題などの環境課題への取り組みも含まれています。 

世界銀行が発行する債券の資金は、特定の用途やプロジェクトを資金使途としていないため、本債券の資金使途は、保健医療や環境問題対策プロジェクトに限定はされませんが、様々な分野の開発プロジェクトを支えるための世界銀行の資金ニーズに大きく貢献します。

世界銀行は2030年までに「極度の貧困を撲滅」し、「繁栄の共有の促進」を持続可能な形で実現することを使命としており、この2つの目標は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」とも連携しています。

世界銀行(IBRD)が取り組むプロジェクト事例

<保健医療分野のプロジェクト事例>

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IBRDは融資を通じて加盟国である開発途上国の新型コロナウィルス感染症への対応を支援しています。支援するプロジェクトは、以下のプロジェクトが含まれます。

アルゼンチン: 患者の特定、隔離、看護の提供と、様々な準備と保健システムの強化を通じ、同国を支援 
ドミニカ共和国 : 自然災害や医療の緊急事態に対応するために2017年に導入された災害リスク繰延引出オプション(Cat-DDO)活用し、感染拡大の抑制及びパンデミック(世界的な大流行)の影響に対応する緊急措置を実施
エクアドル:予防と適切な医療、同国の公衆衛生システムを強化に焦点を当てたプロジェクト実施により、国家計画を支援
インド:検査キット、個人用保護具、人工呼吸器、医薬品の購入と隔離病棟の新設、感染予防と管理対策を強化
レバノン: 既存の保健プロジェクト(2017年)の再構築し、医療品や医療機器の調達のための資金提供と、医療従事者と第一線で働く対応者の為の訓練を実施

ペルー: 保健医療ネットワークの統合プロジェクト  融資額: 1億2500万米ドル

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2000年から2015年の間に、ペルー政府の保健医療支出はGDPの2.3%から3.2%に増加しました。(1人あたり123米ドルから414米ドルに)支出が増加したにも関わらず、 公的医療サービス提供の地域、管轄・管理、インフラが統一されておらず、医療サービスの非効率性が課題となっています。加えて、人口の年齢構成の変化や疫学の構造転換により、糖尿病や高血圧ような慢性的で非感染症疾患の治療に対する需要が高まっています。本プロジェクトは、リマ及びその他の優先度の高い地域に焦点を当て、ペルーの医療ネットワークの統合を支援します。 具体的には、診療マニュアルの強化、医療従事者のスキルの開発プランの実施、看護ケアモデルの再構築、必要な医療のレベルに応じた患者のケアを推進し、医療産業にかかわる様々な組織が、お互いに効率的に連携できるように全体の構造を改革します。プロジェクトの詳細はこちらをご覧ください。(英語)

<環境問題対策プロジェクト事例>

メキシコ: 穀物貯蔵と情報へのアクセス改善プロジェクト(食品ロスと廃棄問題への取り組み) 融資額:1億2,000万米ドル

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農業は、GDPの約8%を占め、公式な労働人口の13%(700万人)の雇用を生み出すメキシコ経済における重要な産業です。しかし、農産物を貯蔵するインフラに関しては、必要な設備や均一に品質を維持する為の基準や規定が整っていないため、不十分または不適切なものになっています。さらに、従来の貯蔵施設の使用は、大きな穀粒損失を招いています。湿気、菌や害虫の発生等の問題により、トウモロコシ、小麦、豆の収穫後の損失は総生産量の5%~25%、農場での損失も13%~28%となっており、食料安全保障上大きな問題となっています。

本プロジェクトは、小規模穀物生産者の穀物貯蔵施設や情報へのアクセスを改善し、食料安全保障の確保、市場への参入、競争力の強化を目指します。具体的には、収益性のある商品化の実施による生産性の向上、収穫後の管理による穀物損失の削減、金融やマーケット情報へのアクセスを構築する貯蔵システムに生産者が参入できるよう、市場環境を整備します。 また、新しい貯蔵施設の建設、回収センターや取引所を含む既存の穀物貯蔵施設の修繕や機能向上などを実施し、穀物貯蔵インフラを改善します。詳しくはこちらをご参照ください。(英語)

トルコ: 持続可能な都市づくりプロジェクト(ゴミ処理の改善と海洋ゴミ削減への取り組み) 融資額:5億6,060万米ドル

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トルコの経済成長において、都市部や都市化が進む地域は重要な役割を担っていますが、都市部の人口が増加するにつれ、上下水道サービスの質の悪化、長期的な財政の課題、持続可能な環境に対する様々な問題が発生しています。 水供給システムの悪化、処理の不十分な汚水、および不適切なごみ処理は、土地、水源、水路や海洋を汚染し、人々の健康や環境に対する大きな脅威となっています。本プロジェクトは、地方自治体のインフラ投資を拡大する事を目的としています。対象となる新しいセクターには、ゴミの収集と管理の向上、海洋ごみの管理、プラスチック廃棄物の削減、クリーンエア行動計画の実施に必要な投資、および各セクターのプロジェクト管理の改善が含まれます。持続可能で効率的なごみ処理管理の改善は、海洋ごみの削減と大きく関係しています。詳しくはこちらをご覧ください。(英語)

*上記プロジェクトは、事例のご紹介のみを目的としており、今回の世界銀行債券の資金の活用を上記プロジェクト又はその分野に限定するものではありません。

*本プレスリリースは、世界銀行債券の購入の勧誘もしくは販売を目的とするものではありません。世界銀行債券の販売は、販売を担当する金融機関より交付される販売説明書等に基づき行われます。世界銀行債券の購入の勧誘は、単独または複数の国の法律に準拠して行われており、関係する全ての法律が遵守されない場合は、購入の勧誘もしくは販売を行うことはできません。

*世銀債の発行により調達した資金は、特定のプロジェクトやプログラムへの融資に直接割り当てられことはなく、世界銀行加盟国における全ての融資プロジェクトやプログラム対し均一に活用されます。世銀債の元利金の支払いは、世界銀行の信用力に基づき行われるため、投資家は個々の融資プロジェクトやプログラムのリスクを負う事はありません。

 


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