プレスリリース

困難に直面する炭素市場に希望をもたらす新イニシアティブ

2012年5月30日




世界銀行が「炭素市場の現状と傾向2012」を発表

ドイツ、ケルン、2012年5月30日 – 炭素市場の時価総額は、2011年に11%拡大して1760億ドルとなり、取引高は記録を更新して103億炭素トンに達した-世界銀行の新報告書「炭素市場の現状と傾向2012(State and Trends of the Carbon Market 2012 )」はこう指摘している。

同報告書によると、この市場規模拡大は、経済の混乱、欧州排出量取引制度(EU ETS)で拡大する長期的な供給過剰、排出権売買価格の急落にもかかわらず実現した。

ケルンで開催中のカーボン・エキスポで発表された同報告書は、価格が低下する中でも、世界の炭素市場は2011年、金銭的な動機による取引の堅固な伸びを圧倒的な追い風として規模を拡大したと説明している。炭素市場で突出して大きな部分を占めるセグメントはEU排出枠(EUA)で1480億ドルだった。オフセットの二次取引も大きく伸び、43%増の18億炭素トン(230億ドル)となった。その背景には、(クリーン開発メカニズムに基づいて発行された排出権(CER)市場と誕生したばかりの排出削減ユニット(ERU)市場における流動性の増大がある。前年までに見られたパターン同様に、2011年も世界の炭素市場は主にEU ETSが牽引した。

京都議定書の第一約束期間が2012年で終わるため、2013年より前のCER、ERU、AAU(初期割当量)の一次取引市場価格は2011年に再度下落した。だが当然のことながら、市場は2012年以降を視野に入れ始めているため、2012年より後のクリーン開発メカニズム(CDM)一次取引市場は、価格が下落し長期的展望が限定的であるにも関わらず、63%の大幅増により20億ドルまで拡大した。CERの縮小の最大要因は中国であったが、2013年以前の市場においてはあまり顧みられてこなかったアフリカ諸国も2011年は存在感を増し、同年の2012年以前のCERの縮小の21%を占めた。

こうした背景の中、2011年には先進国と途上国の両方で国内と地域の炭素市場における複数の新規イニシアティブが弾みをつけた。5つの新地域でキャップ・アンド・トレードの排出権取引手法採用の法案が可決された。

「先進国が引き続き困難を抱え、炭素市場が大きな課題に直面する一方で、気候変動の長期的な緩和に資する新たな市場ベースのメカニズムに対し関心と支援が高まっていることは心強い」と、世界銀行のジョエル・シャサール・カーボン・ファイナンス・ユニット・マネージャは述べている。

具体的には、オーストラリア議会がクリーン・エネルギー法案を可決し、カリフォルニア大気資源局はキャップ・アンド・トレード制度規則案を可決した。また、ケベック州は独自のキャップ・アンド・トレード・プログラムを採択し、2013年からカリフォルニア州のプログラムと調和・統合すべく準備を進めている。さらに先月、メキシコと韓国の両国が、将来の市場ベースのメカニズムの基盤となる総合的な気候対策法案を可決した。

「こうした様々なイニシアティブにより、多額の資金が低炭素のための投資に向かい、気候変動に対する地球規模の解決策を支援する形で炭素市場が大きな変化をもたらすようになる可能性がある」と、世界銀行のアレクサンダー・コソイ・カーボン・ファイナンス・ユニット・シニア・ファイナンシャル・スペシャリストは述べている。

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プレスリリース番号:
2012/483/SDN

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