特集

災害レジリエンス強化に向け、アジアのプログラマーやエンジニアがハッカソンに挑戦

2014年2月3日


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Code for Resilience

要点
  • 一連のハッカソン「コード・フォー・レジリエンス 」において、アジアの防災、および災害に強い社会の構築を課題に、気鋭のソフトウェア・ハードウェア開発者が競います。
  • 課題は、台風接近を漁師に知らせる早期警報システム から、洪水多発地域の農家のための降雨量予測ツールまで、多岐にわたります。
  • 世界銀行はまた、防災を開発の側面に取り入れるに当たって日本の知識を活用することを目的に、東京防災ハブおよび日本 - 世界銀行防災共同プログラムを立ち上げます。

フィリピンの南レイテ州では、モンスーン・シーズンに、大量の雨による水路の氾濫が発生します。地中が飽和状態になるまで水がしみこむと、土壌を支える植物の根がない荒地では土石が崩落し、時には破壊的な地滑りが発生することもあります。

2006年に起きた地滑りでは約2,000人が犠牲になりました。うち200人以上は、土砂と岩に校舎ごと一気に飲み込まれた子供たちでした。

教師たちは土石流に流された学校の中から救助を求めるメールを送信することはできましたが、その正確な緯度と経度を把握するのに時間がかかり、救助隊が到着したときには手遅れでした。

災害の危険が高い地域においては学校の正確な座標を把握することが必要であり、これは、コード・フォー・レジリエンスがアジア各地で開催するハッカソンにおいてプログラマーやエンジニアが取り組む課題の1つとなっています。コード・フォー・レジリエンスは、世界銀行の防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)が、ソフトウェアのコーディングを利用してよりよい社会づくりを目指す市民社会団体コード・フォー・ジャパンとの協力により運営しています。

ハッカソンでは、世界銀行職員のほか、各国および国際パートナー組織や政府が特定した防災課題について、各国のプログラマーやエンジニアが競い合います。

開発者は、モバイル・アプリケーションや遠隔検知器のついた雨量計など、既存のオープンソースのソフトウェア・アプリケーションを改良したり、新しいツールを開発するなどして、こうした課題の「解決」に取り組みます。


" コード・フォー・レジリエンスのような共同イニシアティブを通じて防災専門家と各地の開発者を一同に集め、自然災害に強いコミュニティづくりのための革新的アプリケーションを創り出すことが可能になります "
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フランシス・ゲスキエール

防災グローバル・ファシリティ事務局長

災害に強い社会の構築―技術革新を駆使した日本の取組み

今週、東京、石巻、名古屋にソフトウェアおよびハードウェアの開発者チームが集結し、地震や台風、洪水などの自然災害に対するコミュニティの防災・減災に、テクノロジーがどのように活用できるかを探ります。

このイベントは、「日本 - 世界銀行防災共同プログラム」の立ち上げおよび世界銀行東京事務所内の防災ハブ開設を記念して行われるものです。同プログラムは、防災を開発計画策定や投資プログラムにおいて主流化するために、日本の専門知識を活用し、技術協力、自然災害に対する脆弱性の軽減に特化したパイロット・プロジェクト、知識構築・キャパシティビルディングの活動をはじめ、各種取組みを支援していきます。

「日本は地震や津波など自然災害の影響を受けやすいため、災害に強いコミュニティを作ることの重要性を身にしみて実感しています。アジア地域が直面する重要な課題に革新的なソリューションを提供するため、日本の市民ハッカー・コミュニティの力が役立てられることをうれしく思います」と日本におけるハッカソンの実行委員長である古橋大地氏は述べています。

ハッカソン開催

防災グローバル・ファシリティは長年、同様のイニシアティブから結実した最先端のソリューションを支援してきました。その一例がランダム・ハックス・オブ・カインドネス(RHoK)で、セントルシアによる複雑な地滑りのリスク・モデルの視覚化ツール「CHASM」の開発・稼働を支援しました。世界銀行が支援したハッカソンからは、革新的なソリューションが生まれています。子供たちが優れた保健・衛生習慣を身につけることのできる携帯電話ゲームや、生徒、親、教師が、地方自治体や中央政府の教育省に地元の学校施設に関する懸念をメールを使って伝えることができるツール、開発用資金の国内外への流れを追跡するアプリケーションなどです。

災害に強い社会の構築を目指す今回のハッカソンに向け、コード・フォー・レジリエンスは幅広いパートナーから課題を集め、参加者はこれに取り組みます。具体的には、沿岸地域の漁師が避難できるように台風接近を知らせる早期警報システム、洪水多発地域の農家が作物を守るのに役立つ降雨予測ツールなど、多岐にわたります。

防災グローバル・ファシリティのフランシス・ゲスキエール事務局長は「コード・フォー・レジリエンスのような共同イニシアティブを通じて防災専門家と各地の開発者を一同に集め、自然災害に強いコミュニティづくりのための革新的アプリケーションを創り出すことが可能になります」と述べました。

コード・フォー・レジリエンスは各地域のパートナーと協力して、アジアの中でも人口密度が高く、急速に都市化が進んだために自然災害の影響を受けやすいコミュニティを抱えた都市で、ハッカソンを開催します。イベント開催都市は、バンガロール(インド)、コロンボ(スリランカ)、ダッカ(バングラデシュ)、ジャカルタ(インドネシア)、マニラ(フィリピン)、ペシャワール(パキスタン)です。

課題に対するソリューションのプロトタイプを考案した参加者は、コード・フォー・レジリエンスのオンライン・イノベーション・チャレンジを通じて、それぞれのツールの構築、テスト、改良を進めることができます。オンライン上でハッカソンを継続することにより、開発者同士が協力して作業を進めることが可能となり、メンターとなる専門家から支援を受けることができます。

オンライン・イノベーション・チャレンジの上位入賞者は、2014年7月にロンドンで行われるUnderstanding Risk Conference において、世界有数の防災専門家の前で、開発したツールのプレゼンテーションを行う機会を与えられます。

 

 

 

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コード・フォー・レジリエンスへの参加をご希望の方は、コード・フォー・レジリエンス(オンライン)にて、課題を提案、アプリ・ディレクトリを閲覧またはアプリを追加、地域のハッカソン・イベントに参加登録することができます。ツイッター@CodeForResilienceでもフォローしてください。

日本でのハッカソンは、2月8日、9日に東京、石巻、名古屋で開催予定です。詳細はウェブサイトをご覧ください。

 

 

 

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