概要
ラテンアメリカは、一次産品価格の上昇と成長推進型の構造改革により、この10年間、堅調な経済成長と社会的前進を享受してきました。同地域の人口の所得下位40%の過去10年間の年間経済成長率は平均5.2%と、他のいかなる地域をも凌いでいます。ラテンアメリカでは2011年に初めて、中産階級人口が貧困人口を上回りました。
一方、カリブ海諸国の経済・社会面の進捗は、これほど進んではいません。カリブ海諸国は、先進国がもたらす外需への依存度が高い上、自然災害に対しても極めて脆弱で、成長のペースは遅々としており、社会面の進捗も足踏み状態の国が多く見られます。経済活動を促進するため世界銀行は6月に、政府、民間セクター、市民社会が成長推進型の改革を支援する第3回カリブ海地域成長フォーラムを開催しました。
世界経済への追い風が途絶えるにつれ、2015年のラテンアメリカ・カリブ海地域の成長率は約0.4%に低下すると予測されています。しかし、この値は地域全体の平均値であり、実際には国により大きな格差が見られます。例えば、ボリビア、ドミニカ共和国、パナマ、ペルーでは約4%、或いはそれ以上の成長が見込まれています。過去10年間に蓄積された社会面での進捗を維持するためには、経済成長を促進する新戦略の採用が必要となるでしょう。この地域が一次産品市場の活況期に経験したような繁栄の道を歩み続けるには、平均成長率を3%以上に押し上げる必要がありますが、そのためには生産性の向上が求められます。
詳細は2015年度年次報告書(PDF)をご覧ください。